【平成の長崎】米原子力空母G・ワシントン 佐世保に初寄港 平成23(2011)年

 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)配備の原子力空母ジョージ・ワシントン(GW、約10万トン、D・A・ラウスマン艦長ら3300人乗り組み)が5日、佐世保に初寄港した。

物資の搬入や作業員の入れ替えをする米原子力空母ジョージ・ワシントン=佐世保港

 米原子力空母の佐世保寄港は2009年2月のジョン・C・ステニス以来で、1968年のエンタープライズ以降、通算12隻目。
 GWは横須賀基地で定期メンテナンス中に起きた福島第1原発事故を受け、退避とみられる措置で466人の民間作業員らを乗せ3月21日に出港、航海しながら作業を続けていた。
 寄港目的は「補給・維持」で、米海軍佐世保基地は「一定の作業を終え、作業員の交代や追加物資が必要になった」としている。
 5日午前7時35分ごろ港中央部に停泊。作業員ら約170人が艦の後部に付けた船に順次降り、交代要員がGWに乗艦。横付けしたクレーン船から物資を搬入した。文部科学省の放射線測定結果は「平常値と同様」だった。6日午前10時ごろ出港し、日本近海を航行しメンテナンスを続けるという。
 GWは横須賀で毎年、艦内の低レベル放射性廃棄物を搬出しているが、現時点での同廃棄物の搭載の有無について米海軍佐世保基地は「答えられない」としている。外務省から市に入った連絡によると、佐世保での搬出作業はない。
 労働団体や平和団体は、GWを見下ろす佐世保市野崎町の高台で入港反対を訴える抗議行動をした。
(平成23年4月6日付長崎新聞より)
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