熊本地震の公費解体終了 計3万5675棟

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熊本地震の約2カ月後、「公費解体」の第1号となった甲佐町の民家。県内の解体棟数は計3万5675棟・件に上った=2016年6月27日(谷川剛)

 熊本県は28日、熊本地震で被害を受けた建物の公費解体と災害廃棄物処理作業を同日までにすべて終えたと発表した。甲佐町を皮切りに2016年6月末に始まった公費解体は、地震発生から約2年8カ月で完了した。

 蒲島郁夫知事は同日の記者会見で、「当初は4年かかるという見通しもあったが、解体が終わったことで(住宅再建という)次のステップに進める」と語った。

 熊本地震では、県内で約19万8千棟の建物が被害を受けた。このうち2割強に当たる約4万3千棟が「半壊以上」と認定され、公費解体の対象となった。

 県循環社会推進課によると、申請に基づく解体棟数は27市町村(熊本市は申請件数ベース)で計3万5675棟・件に上った。熊本市が1万3241件と最多で、次いで益城町が5702棟、宇城市が2433棟など。

 県は19年2月ごろの作業終了を見込んでいたが、最後に残っていた南小国町の民家1棟で隣接地の斜面崩落対策工事が進み、12月21日に解体が終了。同町の仮置き場からの廃棄物搬出も終えた。

 一方、解体に伴うがれきや廃材など災害廃棄物は計311万トン程度になる見込み。コンクリート片をセメント原料や道路の路盤材にリサイクルしたりする再利用率は78%前後を予想しており、「再利用率の目標70%をクリアできる」(同課)見通し。

 県は当初、公費解体の目標を18年4月までの2年程度としていたが、熊本市内の被災マンションや南小国町の1棟がずれ込んでいた。同課は「全体として作業がスムーズに進んだのは、解体業界の協力が大きい。2次仮置き場の設置や、廃棄物の最終処分場を確保できていたことも寄与した」としている。(野方信助)

(2018年12月29日付 熊本日日新聞朝刊掲載)