佐賀知事との協議に意欲 中村知事「了解事項できれば」

 中村法道知事は28日の今年最後の定例会見で、九州新幹線長崎ルートを巡り、佐賀県の山口祥義知事と来年1月にも協議する内容について「長崎県と佐賀県が力を合わせて国やJRなどに働き掛けていく余地はないのか意見交換したい」などと述べた。

 同ルートを巡っては、整備方式が未定の新鳥栖-武雄温泉間について、長崎県やJR九州がフル規格を望んでいるのに対し、佐賀県は財政負担増などから難色を示している。

 中村知事は「(山口知事が)どういったルートになるのか、並行在来線の問題も出てくるのではと懸念、疑問があるようなこともうかがっている」とし、協力して国やJR九州に求められることがないか模索する考えを示した。その上で「半歩でも一歩でもお互いの了解事項ができれば意義がある」と強調。ただ、地元負担の劇的な軽減は「地方間の話し合いで解決は難しい」と述べ、国に軽減策の検討を引き続き求める考えを示した。

 整備財源のうち、JR九州が国側に支払う線路使用料(貸付料)の増額に難色を示す点については「フル規格での整備という同じ考え方になれば、収支改善効果が(年間)88億円と(国が)試算しているので、そういった財源も有効に活用していただける余地があるのでは」と語った。

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