むし歯じゃないのに抜歯なんて・・・ 成人の歯周病 沖縄県歯科医師会コラム「歯の長寿学」(268)

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 近年、歯周病という言葉を耳にすることが多くなっていると思います。しかし、いまだに「歯科医院=むし歯治療」というイメージが強いと思われます。若年者では、むし歯による歯冠崩壊が原因で抜歯に至ることが多く、成人になるにつれて、むし歯ではなく歯周病による抜歯が非常に多くなります。全くむし歯ではないのに抜歯になるケースです。

 歯周病は初期の段階では症状がないため、自覚症状が現れるとかなり進行している場合があります。現在の歯科医療技術では歯茎と骨が丈夫であれば、むし歯による歯冠崩壊がひどくても抜かずに治療することが可能です。しかし、歯茎と骨の炎症が強いと歯を残すことが難しくなります。

 むし歯の処置はもちろんのこと、歯茎に対しての予防や処置も大切になってきます。これは家作りに例えることができます。家を建てる場合、必ず地盤をチェックするはずです。もしも、地盤が軟弱だとしたら家を建てるでしょうか? 時間をかけて、地盤強化の工事が必要と思われます。

 歯の治療も全く一緒です。歯周組織は加齢、全身状態、生活習慣の影響を受けやすいため、成人からは歯周病のケアが非常に大切になってきます。具体的には家庭での毎日のブラッシングが最も重要です。しかし、どうしても磨き残しがあったり、歯茎の炎症が起きたりすることがあり、歯科医院での定期的なチェックと歯石除去が必要です。

 歯周病は初期段階の治療が特に大切です。ある程度進行した歯周病では、歯石を除去しても約3か月経過すると歯周病菌が再度増殖し始めるといわれています。いつまでもおいしい食事をいただくためには、歯茎を含めたお口の健康が大切です。歯科医院でのチェックを受け、歯石除去をしてみてはいかがでしょうか? まずは気軽にかかりつけの歯科医院で歯周病の検査を受けることをお勧めします。(とくだ歯科クリニック 徳田安成)

イラスト・いらすとや