入金もチケット届かない…SNS使った売買でトラブル増加 相談件数、前年の3倍 県警、注意呼び掛け

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 会員制交流サイト(SNS)を使ったチケット売買で、現金をだまし取られる詐欺被害に遭うトラブルが埼玉県内で増加している。県警には10~20代の若い女性を中心に「お金を振り込んだが、チケットが届かない」といった相談が寄せられており、県警サイバー犯罪対策課は「慎重に取引をしてほしい」と注意を呼び掛けている。

 「抽選が外れてしまったため、チケットを探しています。金額は定価+手数料。当日手渡し希望」―。ツイッター上には、人気アイドルグループのコンサートチケットを求める声が多数、書き込まれている。同課によると、こうしたツイートから取引相手を探し出し、他の利用者に見られずやりとりできるダイレクトメッセージ(DM)で口座振込を求め、入金後にアカウントを削除して連絡が取れなくなるというのが、チケット詐欺の手口という。

 県警に寄せられるチケット詐欺の相談件数は6月以降、右肩上がりで増加。11月末時点で前年の約3倍となる126件の相談が寄せられた。人気アイドルグループのコンサートチケットに関するものを中心に「現金を振り込んだが、チケットが届かない」という内容が大半を占め、126件のうち105件は女性からの相談だった。

 世代別では20代が最も多く60人。次いで10代が46人、30代13人、40代7人と続いた。

 こうしたトラブルの増加について同課は「(犯人側は)振込口座の登録など面倒な手続きを省いて出品できるため、SNSでの個人取引に移行しているのではないか」と分析。「被害額が少額の場合は警察に相談されないこともあり、被害が潜在化しやすい」と、被害は氷山の一角の可能性を指摘する。

 相談件数の増加を受け、同課は啓発チラシを作成。SNSでのやりとりから入金後に取引相手と連絡が取れなくなるまでの流れを、マンガ形式で分かりやすく紹介した。チラシを作成した田中雛乃巡査は「匿名性が高いインターネットでの取引はリスクも高い。若い世代でも親しみやすく、堅苦しくない絵で危険性を知ってもらいたかった」と話す。

 同課はチケット詐欺の特徴として(1)支払いをせかす(2)偽造された身分証明書を示して信頼させようとする(3)口座振込で支払いを求める(4)支払った途端に連絡が取れなくなる―の4点を例示。「振り込む前にもう一度よく確認し、用心深く取引するようにしてほしい」と呼び掛けている。

チラシを画面に映し出しキャンペーンなどでも注意を呼び掛けている=25日午後、さいたま市中央区イオンモール与野