台風で被害に遭った沖縄観光の人気市場 BEGINが「島人ぬ宝」熱唱で修繕費呼び掛け

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 牧志公設市場などがあるアーケード街を見渡す那覇市牧志の希望ヶ丘公園のステージで23日夜、「島人ぬ宝」が響いた。声の主は、BEGINの島袋優さんら。今年の台風で被害に遭った「まちぐぁー」のために、という思いを歌声に乗せた。(社会部・岡田将平)

 

 この日開かれたのは、「イチバノチカラ」と題した企画。今年9月の台風24号で、市場一帯では平和通りなどのアーケードが破損したり店が倒れたりする被害が出たという。修繕には500万円の費用がかかるため、イベントを企画し、来場者から寄付を募ることにした。

 実行委員会代表で公設市場そばの魚屋のコンサルティングを担当している比嘉篤志さん(47)は被害の復旧だけではなく、「まちぐぁー」のにぎわいを取り戻したいという思いを抱く。

 子どもの頃、市場に近い「やちむん通り」で育った比嘉さんにとって、アーケード街一帯は遊び場だった。おじい、おばあは優しく、知らない人もお菓子をくれ、悪いことをすれば、愛を込めて叱ってくれた。だが、比嘉さんには今、その雰囲気がなくなったように感じられる。観光客は多いが、地元の人は遠のいた。

 再び地元の人も集う魅力のあるまちぐぁーにしたいと、同じように思い入れのある人たちと共に、これまでも台風被害の修繕のためのイベントなどを催してきた。9月の台風の直後、親交のある島袋さんから連絡があった。「俺ができることがあれば何でもやるよ」。その言葉に背中を押され、今回のイベントを企画した。

 島袋さんにとっても「まちぐぁー」はなじみだ。出身地の石垣島でも市場に親しみ、現在は牧志公設市場かいわいを歩き、コーヒーを飲むこともあるという。「人間模様がある。パワーをもらいに行く」と魅力を語る。比嘉さんの市場への熱い思いをくみ、音楽を通して力になれればと思った。

 この日、イベントは昼から始まり、島袋さんは暗くなってから登場。「三線の花」などをギターで弾き語りし、「島人ぬ宝」では、他の出演者もステージに上り、来場者と一体となって盛り上がった。

 しみじみと演奏を見つめていた比嘉さんは、あいさつに立ち、「優しい市場を、まちぐぁーを取り戻したい。皆さんの力をお貸しください」と語った。企業も回って修繕のための支援を求めている。多くの人が市場に足を運んでくれることを願う。

 

ステージで演奏する島袋優さん(中央)=23日、那覇市
ステージであいさつに立つ比嘉篤志さん(左)