自動車ライター 遠藤 イヅルが選ぶ! 本当は教えたくない穴場ドライブスポット

自動車ライター 遠藤 イヅルが選ぶ! 本当は教えたくない穴場ドライブスポット

群馬~新潟県境の“隠れた名所”めぐり

三菱 エクリプスクロスと筆者の遠藤イヅル氏

教えたくない穴場のドライブスポット…というと、温泉が好きでよく出かけるボクはやはり温泉をお勧めしたいのですが、それだけだと面白くない!ので、今回は温泉+αで楽しめる(ただし、ごく一部の人かも)スポットをご紹介したいと思います。

それは、ズバリ群馬と新潟県の境目界隈。関越道に乗ってしまうと水上—湯沢間の関越トンネルで「ひとっ飛び」なのですが、このあたりを楽しむためには月夜野(つきよの)や水上で降りて下道(国道17号)を行くのも一つの手です。

どこに向かうかによって、月夜野か水上インターチェンジのどちらを降りるかが決まります。もちろん新潟側に早く行きたいならば、関越道を選びます。国道17号線で県境を越えたい場合は、月夜野インターチェンジから行きます。一方、温泉地の水上や、今回ご紹介する“驚愕の駅”に向かいたいなら、水上インターチェンジを降りてください。

驚愕!ホームが果てしなく遠いトンネル駅

水上インターチェンジからは国道291号線に入って北上、右手に道の駅を眺めつつ進みます。なおこの道の駅にはEF16型電気機関車が保存されています。国道291号はゴールが新潟県柏崎市なのですが、谷川岳ロープウェイの乗り場あたりから先、南魚沼町まで未開通になっています。今回向かうその駅は、まさに未開通区間の手前にあります。

駅の名は、上越線の「土合(どあい)駅」。伝説の「トンネル駅」です。地下鉄ではトンネルの中に駅があって当たり前なのですが、土合駅は群馬~新潟の県境を上越線が越える「清水トンネル」の中にあります。しかも、この駅が伝説と呼ばれるのが、「改札を入ってから下りホームまで果てしなく遠い」こと。しかも駅舎から下りホームに行くには、143mのトンネルへの通路、通路から始まるホームへ降りる階段はなんと462段! 所要時間は約10分。そしてその光景はただただ驚きの一言です。

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全長338m、462段の階段をやっとの思いで降りてホームに着いても、実は問題は帰りです。階段って、昇る方がつらいのね(涙)。階段脇にはご丁寧に段数のナンバリング。全然362にならない。むしろかえってツラくなるので、いらないです(笑)。

ホームの脇にはエスカレーター設置用のスペースもあるようですが、もちろんこれから先も設けられることはないでしょうね……。

なお駅は無人で、駅前にはクルマが置けるスペースがあります。雪深いエリアですが駅前までは除雪されていると思います。ただし、駅に至る道は傾斜があり、スタッドレスだけでは登れないかも。運転はくれぐれもお気をつけて!

※写真は2009年撮影のため、現在とは状況が異なっている可能性があります。

旧型客車がズラリ。一体何のため!?

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新潟側にも、見所がいっぱいあります。駅に絡めて、こちらも鉄道ネタを選ぶことにしましょう。それは越後中里駅側にある、15両も置かれた旧型客車たちです。越後中里駅は湯沢インターチェンジから近いので、ここは県境を関越道で超えてしまってください。旧型客車とは戦線から戦後にかけて製造された客車(動力を持たないため機関車に牽引されないと走れない車両)で、ボックスシートと深い屋根、手で開閉するドアが特徴です。「銀河鉄道999」で出てくるアレ的な車両、といえばピンとくるかもしれません。

ではなぜこの場所に大量の旧型客車が置いてあるかというと、冬季は湯沢中里スキー場の休憩所として使用されるからなのです。スキー場では「ブルートレイン中里」と称しており、HPでは「実際使われていたブルートレインが休憩所に!」とありますが、正式なブルートレイン(寝台特急用客車)じゃないので、間違いです(笑)

なお保存されている車両は戦後に登場したスハ43系で、スハフ42、スハ43、オハ47が確認できました。

近所には名湯秘湯もいっぱい

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鉄道ネタに偏ってしまいましたが、ボクがこの辺りによく行くのは温泉が多いからなのです。水上がそもそも大きな温泉地であるだけでなく、県境近隣には宝川温泉、湯宿温泉、猿ヶ京温泉、法師温泉、貝掛温泉、越後湯沢温泉など日帰り入浴もできて泉質も良い温泉がたくさんあります。中でも古い建物を今でも大切に使う法師温泉、眼病に効果があるという貝掛温泉は「日本秘湯を守る会」の宿でオススメ。法師温泉に向かう際は月夜野インターチェンジから国道17号に入って北上するルート、貝掛温泉ならは湯沢インターチェンジから行くルートを進んでくださいね。

[著者 / 撮影:遠藤 イヅル]

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