カヌー日本代表 水本(チョープロ) K-4の五輪出場枠 取る

 8月のジャカルタ・アジア大会に出場したカヌースプリント日本代表の水本圭治(チョープロ)。カヤックフォア(K-4)、ペア(K-2)のメンバーとして2種目入賞した30歳に今年の感想、来年の目標、2020年東京五輪へ懸ける思いなどを聞いた。

 -今年を振り返って。
 アジア大会K-4で金メダルを目指していた。5月のワールドカップ(W杯)でアジア勢トップの8位に入って、出だしは順調だった。だけど、7月にけが人が出て、アジア大会はメダルにすら届かない結果(4位)になってしまった。個人的にはカヤックシングル(K-1)で出た10月の国体も、風邪をひいてしまって優勝できなかった。自己管理や大会に向けてピークを合わせる力が足りないと感じた。

 -印象に残っているレースは。
 9月の日本選手権。アジア大会直後の大会で、いろんな方に心配された中で3種目優勝できた。特にK-1(500メートル、1000メートル)は印象深い。強い大学生がいた中で代表の意地を出せた。自分がやろうとしたことが、ちゃんとできた大会。
 -10月にK-1の東京五輪開催国枠が確保された。
 今年K-1(1000メートル)で勝ててるから、このままなら自分がいけるんじゃないかと思った。けれど、やっぱりK-4(500メートル)で出場枠を取ることが大切。まずはそこに全力を尽くす。

 -来年の目標を。
 K-4(500メートル)の東京五輪出場枠を獲得すること。8月の世界選手権で11位以内に入れば、達成できる。海外の選手は筋力、体力とも1ランクも2ランクも上。小さくても負けない大きな漕ぎをできるように意識して練習する。これまでレースをしてきて、後半に失速するのが課題となっている。前半のダッシュからトップスピードに乗せるまでの力は、世界に負けないものがある。トップスピードのまま、最後までキープできる練習をしていく。

 -どんなトレーニングに励みたいか。
 1月から2カ月間、ハワイ合宿に行く。新しい外国人コーチが就いて、フォアのメンバー4人とも集まって練習する。冬場は日本だと長距離を漕いだり、ランニングをしたりするが、ハワイだとしっかり動けるので、スプリントとかができたらいい。それとトレーニング施設が充実しているので、いろいろな道具を使って新しい筋トレが発見できたら。大きくなって帰ってきたい。

 -3月は海外派遣選手選考会があるが。
 ここで来年度のナショナルチームに入れなかったら、五輪を目指すこともない。でも、あんまり国内で勝つのは意識していない。それよりも代表になった後のことを考えている。

 -4、5月の日本代表候補選手強化合宿は。
 世界と戦うために基準タイムが高めに設定してある。ここが一つのピークになる。K-1(500メートル)で基準タイムの1分40秒は切りたい。

 -県民へメッセージを。
 長崎に来ていろんな方に応援していただいた。一度は諦めていたカヌーで、また五輪を目指せるように復活できた。恩返しになるか分からないけれど、東京五輪に出場して長崎に元気を届けたい。

 【略歴】みずもと・けいじ 岩手県出身。不来方高で競技を始めて、3年時の全国高校総体(インターハイ)で4冠を達成。2010年広州アジア大会スプリントカヤックペア200メートルで金メダルを獲得した。12年から県スポーツ専門員を務め、現在はチョープロに所属。176センチ、82キロ。30歳。

「世界選手権で11位以内に入りたい」と語る水本(チョープロ)=長崎市、長崎新聞社

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