北陸電力、付加価値高めた電気販売

©株式会社福井新聞社

電気料金引き上げの影響などについて話す金井豊社長=富山県富山市の北陸電力本店

 北陸電力(本店富山県富山市)の金井豊社長が福井新聞のインタビューに応じた。4月に行った電気料金の引き上げや電力小売りの全面自由化で競争が激化する中、電気設備の設置から運転までを手掛けるなど、付加価値を高めた電気販売に力を入れていく考えを示した。赤字が続く業績は値上げで改善を図る狙いだったが、七尾大田火力発電所2号機(石川県)が9月の火災で運転を停止し、コストが増大。増収分がほぼ相殺されることから「立て直しは来期以降になる」と見通した。

 ―値上げの影響は。

 「値上げ後でも全国的には十分低い水準の料金になるよう抑えたつもりだが、新電力との競争は激しくなっている。新電力への離脱率は、一般家庭などの分野でいうと、全国平均11・4%に対し北陸は2・8%で、影響はそんなに大きくない。一方で法人分野は、全国平均15・5%に対し12・3%。値上げで増えてきている」

 ―顧客維持に向けた対策は。

 「会員サービス『ほくリンク』の魅力を高めていかないといけない。会員は順調に増え28万6千件。電気料金に応じてポイントを付与するサービスは好評で、申し込みは9万3千件になった」

 「法人に対しては、顧客に近い地元企業として、ニーズをしっかりくみ取ってきめ細かいサービスをしていくことが大事になる。電気の売り方にも工夫が必要。富山市の小中学校では、空調設備の設置から運転、点検、メンテナンスまでを当社グループが担うことになった。提供するのは快適な空調が効いた空間。電気に付加価値を持たせた形で提供する」

 ―七尾大田2号機停止の影響は。

 「今期の収支に与える影響は非常に大きいが、それによって再値上げをお願いするものではない。(来年2月末を目指す)再稼働後も、1年間は出力が7割程度となるので影響はあるが、経営効率化で吸収していく。これまでも効率化を上積みしてきたが、さらにやっていかないといけない。例えば設備の修繕費。手抜きは一切できないが、効率化できることは削減していかないといけない」

 ―志賀原発2号機(石川県)の新規制基準適合性審査の進捗(しんちょく)状況は。

 「一生懸命努力しているが、原子力規制委員会の理解が得られず、今年は進捗がなかった。これまでの議論を踏まえ、活動性の有無を評価する対象の断層を5本から8本に増やす。具体的な再稼働時期は見通せないが、1カ月でも1日でも早くというつもりで取り組んでいく」

 ―11月に富山新港火力発電所LNG1号機の営業運転が始まった。意義や効果は。

 「狙いの一つは二酸化炭素の排出削減。また、燃料を多様化することで供給の安定性も高まる。燃料費的にも競争力がある」