健康長寿へ対策本格化 認知症予防リーダーを育成へ

 長崎県は2019年から、健康長寿に向けた高齢化対策を本格化させる。認知症予防に効果がある体操などを地域で普及するリーダーを年間240人を目標に育成し、介護予防対策に力を入れる。

 介護を受けたり、寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を指す「健康寿命」。長崎県の16年の数字を見ると、男性71・83歳(全国30位)、女性74・71歳(全国28位)と、全国平均を女性で0・08歳、男性で0・31歳下回っている。

 本年度から「健康長寿日本一」に向け取り組む県が着目するのが、要介護と要支援の認定率。16年度は全国で2番目の21・3%で、特に軽度の認定率が高い。このため、軽度に対する介護予防と重度化防止の取り組みを強化する。

 リーダーとして想定されるのは、地域の高齢者ら。長崎県が選定した介護事業所で講習を受けてもらう。具体的には、体を動かしながらしり取り遊びをするなどして脳と体の機能を向上させる認知症予防体操「コグニサイズ」のほか、認知症の症状の特徴、対応法などを学ぶ。受講後は、運動や趣味の教室など高齢者らが集まる「通いの場」にリーダーが出向き、体操などを普及。地域で楽しみながら健康増進につなげていく。

 事業は20年度までの3年計画。長崎県はこれまでにリーダーを育成する県内の5事業所を選定し、このうち佐世保市の事業所で講習が始まっている。今後も事業所を増やし、1事業所当たり30人程度のリーダー育成を目指す。

 長崎県長寿社会課は「介護予防と重度化防止に取り組み、元気な高齢者を増やしたい」としている。

認知症予防策を地域で広めるためのリーダーを育成する講習=佐世保市内(社会医療法人財団白十字会提供)

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