眼鏡橋架橋180年 官民PR 来年4月から諫早 イベントや情報発信

 長崎県諫早市の諫早公園にある国指定重要文化財の眼鏡橋が来年、架橋180年を迎える。諫早市や市内の観光、文化、商工団体など8組織が「諫早眼鏡橋架橋180年PR実行委員会」(伊藤秀敏委員長)を結成し、来年4月から1年間、眼鏡橋や「180」をキーワードにイベント開催や情報発信に取り組む。同実行委は「古里のシンボル的な文化財であり、諫早大水害の記憶も刻まれた橋。市民が眼鏡橋に愛着を持ち、楽しんでもらえる企画を考えている」と話す。

 諫早市中心部を流れる本明川は江戸時代、度重なる洪水に見舞われた。頑丈な石で造られた長崎の眼鏡橋に倣った眼鏡橋が1839年8月12日、本明川に架けられた。全長約49メートルの石造二連アーチ橋は当時、日本最大といわれた。

 1957年の諫早大水害では、上流から流されてきた家屋などが眼鏡橋に激突。川の改修工事に伴い、眼鏡橋は解体される予定だったが、当時の野村儀平市長が保存を判断。58年11月、国の重要文化財に指定され、61年、諫早公園に移築復元され、日本を代表する美しいアーチ橋と呼ばれる。

 同実行委は諫早市の歴史や眼鏡橋に関する豆知識などを探し、「180の真実」として発信。スケッチ大会などの市民参加型で、短歌や俳句、書、絵画などの文化団体と連携したイベントなどを検討している。現在、諫早市のほか、長崎県県央振興局や国土交通省長崎河川国道事務所諫早出張所、諫早観光物産コンベンション協会、市芸術文化連盟など8組織が集まっているが、さらに幅広く参加団体を募る予定。

来年で架橋180年を迎える眼鏡橋(奥)と、諫早大水害の移築復元の基となったミニ眼鏡橋(手前)=長崎県諫早市高城町

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