大谷は「正真正銘の二刀流の脅威」 2018年MLB「トップストーリー」で堂々4位

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

投打二刀流で大きなインパクト「打撃は予想を遥かに上回るものだった」

 二刀流の活躍でア・リーグの新人王に選出されたエンゼルスの大谷翔平投手。投打ともにトップクラスの実力を誇るだけでなく、走塁でも存在感を見せたプレーのインパクトは大きく、米メディアから「2018年の球界トップストーリー25選」で4位に選出された。

 米「NBCスポーツ」電子版では、「2018年の球界トップストーリー25選」をランキング形式で日々紹介していく企画を行っている。30日(日本時間31日)にはようやく大谷が登場。堂々4位で、「ショウヘイ・オオタニ」と個人での選出となった。

 記事ではまず、「2017年終盤のショウヘイ・オオタニのポスティングと契約は、昨年の重大な出来事だった。しかし、彼が2018年シーズンにもたらしたインパクトに比べれば、それは大したことではなかった」と指摘。昨オフの大谷争奪戦は一大騒動となったが、それを上回るインパクトを二刀流右腕は実際のプレーで残したというのだ。

「オオタニへの期待は、先発してから次の登板までの間に1度、指名打者として打席に立ち、程々に大きな当たりを打ってもらうことであった。結局、彼の投球は単に素晴らしいだけに留まらなかったし、打撃も予想を遥かに上回るものだった。彼は正真正銘の二刀流の脅威であった」

 このように、大谷が投打ともにハイレベルであったと高く評価。その衝撃は、オープン戦での苦戦もあってより大きかったようで、「当初(スプリングトレーニング時)は、そういう結果になる気配はなかった。オオタニはスプリングトレーニングで苦しみ、アリゾナの地で打撃を見失っていたようだった。しかしながらシーズンが始まると、彼はスイッチが入った」とも言及している。

大谷は“神様”ベーブ・ルースと「同じくらい希少」

 大谷は開幕直後の二刀流での驚異的な活躍の後、右肘靭帯損傷が発覚して一時離脱し、後半戦はほぼ打者に専念した。シーズン終盤には2度目の靭帯損傷が発覚し、靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を決断するというショッキングなニュースもあった。しかし、2度目の負傷後も打者としてホームランを量産するなど、まさに周囲の予想の遥か上を行く活躍ぶりだった。

 大谷は最終的に、打者として104試合出場で打率.285、22本塁打、61打点、OPS(出塁率+長打率).925、10盗塁、投手として10試合登板で、4勝2敗、防御率3.31、51回2/3で63奪三振という成績をマーク。1919年のベーブ・ルース以来となる「15本塁打&50イニング登板」、メジャーリーグ史上初の「20本塁打&50奪三振」「10試合登板&20本塁打&10盗塁」など、メジャーの歴史を塗り替える数々の“偉業”を達成した。そして、新人王に選出。二刀流の選手としてはもちろん史上初、日本人では2001年のイチロー以来17年ぶり4人目となる快挙だった。

 特集では「もちろん、全ての登板が素晴らしかったわけではないが、打撃をハイレベルでこなしつつも、その登板の数々を果たしたという事実が、我々の記憶の中では前例のないことだった」と評価。「ベーブ・ルースの再来なのか? 必ずしもそうではない」と言及しつつ、「けれども、彼は同じくらい希少であり、それによって彼のデビューシーズンは重大な出来事となったのである」と結論づけている。

 2018年は、あの二刀流の「ショウヘイ・オオタニ」がメジャーデビューを飾った年――。米国でも今後、こう認識され続けることになりそうだ。(Full-Count編集部)

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