3連覇、怪物復活、偉業、辞任、引退… 2018年、セ・リーグの10大ニュース

広島・緒方孝市監督【写真:荒川祐史】

広島3連覇&巨人4年連続V逸、中日松坂は4241日ぶりの白星

 2018年も残り、あとわずか。今季のプロ野球界も様々な出来事が起こり、ファンを楽しませ、盛り上げ、そして時に悲しませてくれた。セ・リーグは広島が球団史上初となる3年連続でリーグ優勝。まさに“黄金期”到来を実感させ、一方で巨人は球団ワーストタイとなる4年連続でのV逸となった。

 そんなセ・リーグで起きた出来事の中で、Full-Count編集部が独自に10大ニュースを選出。それぞれのニュースを振り返り、2018年を思い出していこう。

○広島、セ・リーグ3連覇

 開幕からスタートダッシュに成功した広島。セ・リーグ屈指の強力打線は今季も健在で、投手陣では大瀬良大地が最多勝に輝くなどチームを支えた。82勝59敗2分の貯金23。2位のヤクルトに7ゲーム差をつける大差で、見事に3年連続で頂点に立った。クライマックスシリーズも制し日本シリーズに進んだが、ソフトバンクに敗れて日本一は逃した。

○松坂大輔が復活

 3年間で1軍登板わずか1試合に終わり、ソフトバンクを退団した“平成の怪物”松坂大輔。入団テストを経て中日に加入すると、春季キャンプから“松坂フィーバー”が巻き起こり、大きな注目を浴びた。4月30日のDeNA戦で6回3安打1失点で勝利投手となり、2006年9月19日のソフトバンク戦以来となる4241日ぶりの白星をあげた。その後も間隔を空けながら、6勝をマーク。カムバック賞を受賞した。

ヤクルト・山田哲人【写真:荒川祐史】

山田はトリプルスリー&サイクル安打、伝統球団は監督が次々と…

○山田哲人、史上3度目のトリプルスリー

 2015年、2016年と史上初の2年連続トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成した山田だったが、昨季は打率.247、24本塁打、14盗塁と大不振に陥った。今季はそこから完全復活。140試合で打率.315、34本塁打、33盗塁と自身3度目のトリプルスリーを成し遂げた。1人で3度のトリプルスリーはもちろん史上初。

○山田哲人、桑原将志、平田良介がサイクル安打

 7月9日の巨人戦(静岡)でヤクルト山田が史上71度目(66人目)、セ・リーグでは36度目(33人目)となるサイクル安打を達成すると、7月20日の阪神戦(横浜)でDeNAの桑原が、さらに8月16日のDeNA戦では中日の平田がサイクル安打を達成。パ・リーグでもソフトバンクの柳田が4月に達成しており、シーズンで4人ものサイクル安打達成者が生まれた。

○高橋由伸監督、金本知憲監督、森繁和監督が相次ぎ辞任

 巨人、阪神、中日とプロ野球界でも最も歴史と伝統のある3球団で、オフに監督が辞任する事態に。球団ワーストタイとなる4年連続V逸となった巨人は高橋監督が辞任し、原辰徳監督が3度目の監督就任。最下位に沈んだ阪神は金本監督が辞任に追い込まれ、矢野燿大2軍監督が昇格、5位の中日は森監督が辞任し、与田剛氏が新監督となった。

○レジェンドが次々に引退…

 平成最後のシーズンで、平成の時代を彩った多くのレジェンドが現役を退いた。前人未到の通算1000試合登板を果たした中日の岩瀬仁紀投手をはじめ、荒木雅博内野手、浅尾拓也投手、広島の新井貴浩内野手、巨人の杉内俊哉投手、西村健太朗投手、山口鉄也投手、DeNAの後藤武敏内野手や田中浩康内野手など、記録にも、記憶にも残る名選手の多くがユニホームを脱ぐことになった。

巨人・岡本和真【写真:Getty Images】

菅野は驚異的ピッチング、阪神では偉大なベテランの記録が…

○巨人・岡本和真が史上最年少の偉業達成

 球界を去る者がいれば、新しくチームの“顔”となる選手もいる。その筆頭が巨人の岡本だろう。今季急成長を遂げ、巨人の4番打者を務めるまでに。史上最年少で3割30本100打点を達成し、一躍、球界を代表する強打者となった。

○鳥谷の連続出場止まる

 阪神が誇る偉大なベテラン鳥谷敬内野手。プロ入りした2004年から15年にがかりで連続試合出場を続けてきたが、5月29日の交流戦ソフトバンク戦(甲子園)で出番なく、ついにストップ。連続試合出場1939試合は歴代2位。故・衣笠祥雄氏の2215試合には手が届かなかった。

○菅野智之が驚異的な活躍

 巨人が誇る、そして日本が誇るエースとなった菅野。今季は15勝8敗、防御率2.14で2年連続最多勝、最優秀防御率をマーク。自身初めて200投球回を超え、2度の3試合連続完封を含む10完投8完封と圧巻の成績を残し、沢村賞にも輝いた

○上原浩治が史上初の「トリプル100」

 今季、巨人に10年ぶりに復帰した上原。7月20日の広島戦(マツダ)で同点の7回にマウンドに上がり、1イニングを無失点に抑えた。今季10ホールド目をマークし、これで日米通算100ホールドに。プロ20年間で日米通算134勝128セーブをマークしており、史上初の100勝100セーブ100ホールドの「トリプル100」を達成した。(Full-Count編集部)

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