バーランダー200勝&2500K、大谷は二刀流で偉業…2018年の偉大な記録【MLB投手編】

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

バーランダーは大谷から2500個目の三振を奪取、コロンも達成

 2018年はMLBでもさまざまな記録が生まれた。今シーズンのメジャーを盛り上げた投球に関する記録を回顧しよう。

○アストロズのバーランダー、史上114人目の200勝

 8月19日のアスレチックス戦、5回1/3、自責点4の投球でシーズン12勝目を挙げて達成。シーズン終了時点での現役投手勝利数5傑。()内は今季所属。

1.バートロ・コロン(レンジャーズ)247勝
2.CC・サバシア(ヤンキース)246勝
3.ジャスティン・バーランダー(アストロズ)204勝
4.ザック・グリンキー(ダイヤモンドバックス)187勝
5.ジョン・レスター(カブス)177勝

 バーランダーは今季16勝(9敗)をマーク。まだ勝ち星を積み上げそうだ。

○バーランダー、コロン、2500奪三振

 バーランダーは5月16日のエンゼルス戦、9回に大谷翔平から空振り三振を奪って達成。史上33人目。コロンは、6月12日のドジャース戦、1回にマックス・マンシーから見逃し三振を奪って達成。史上34人目。

 シーズン終了時点での現役投手奪三振数5傑。

1.CCサバシア(ヤンキース)2986奪三振
2.ジャスティン・バーランダー(アストロズ)2706奪三振
3.バートロ・コロン(レンジャーズ)2535奪三振
4.フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)2467奪三振
5.マックス・シャーザー(ナショナルズ)2449奪三振

 サバシアはあと14奪三振で史上17人目の3000奪三振に手が届く。2500奪三振は、来季も複数の選手が達成しそうだ。

大谷は50投球回&22本塁打、100年前のベーブ・ルースに迫る記録に

○レッドソックス、キンブレル、最年少で300セーブを達成

 5月5日のレンジャース戦で1回無失点に抑え、9セーブ目を挙げて達成。29歳での大台達成は、フランシスコ・ロドリゲスの31歳を抜く最年少記録。

シーズン終了時点での現役投手セーブ数5傑

1.クレイグ・キンブレル(レッドソックス)333セーブ
2.フェルナンド・ロドニー(アスレチックス)325セーブ
3.ケンリー・ジャンセン(ドジャース)268セーブ
4.アロルディス・チャプマン(ヤンキース)236セーブ
5.ホアキン・ソリア(ブルワーズ)220セーブ

 MLB史上1位のマリアノ・リベラの652セーブまではまだ300セーブ以上あるが、来年5月に31歳になるキンブレルはどこまでセーブ数を積み上げられるだろうか。4月には、ブルー・ジェイズのロベルト・オスーナが史上最年少の23歳で100セーブを達成している。救援投手の比重が高まっている現代のMLB、セーブ記録は今後も更新されるだろう。

○アスレチックスのマナイアがノーヒットノーランを達成

 4月21日のレッドソックス戦で達成。10奪三振、2与四球。108球での達成。26歳のショーン・マナイアはメジャー3年目の左腕。今季終了時点で31勝と着実に実績を積み上げている。

○エンゼルスの大谷翔平、投手として史上2位の本塁打を記録

 MLBで50イニング以上投げた投手のシーズン本塁打5傑と投手記録

1.ベーブ・ルース(1919年レッドソックス)29本(133回1/3 9勝5敗)
2.大谷翔平(2018年エンゼルス)22本(51回2/3 4勝2敗)
3.ベーブ・ルース(1918年レッドソックス)11本(166回1/3 13勝7敗)
4.ウェス・フェレル(1931年インディアンス)9本(276回1/3 22勝12敗)
5.ジャック・スティベッツ(1894年ビーンイーターズ)8本(338回 26勝14敗)

 ほぼ一世紀前のルースの記録に迫る大記録だった。21世紀以降では、2001年のマイク・ハンプトン(ロッキーズ 203回14勝13敗)、ブルックス・キシェニック(ブルワーズ 53回1勝1敗)の7本塁打が最多だった。来季は打者専念だが、2020年以降に期待がかかる。

 フライボール革命で投打のバランスが変化する中で、投手の数字も動いている。来季はどんな記録が生まれるだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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