同年2度のサイクル達成、1試合10打点も…2018年の偉大な記録【MLB打者編】

レッドソックスのベッツ(左)とブルワーズのイエリッチ【写真:Getty Images】

イエリッチが今季2度のサイクル安打でMVP受賞

 2018年はMLBでもさまざまな記録が生まれた。今シーズンのメジャーを盛り上げた打撃に関する記録を回顧しよう。

○アルバート・プホルス(エンゼルス)3000本安打
 5月4日のマリナーズ戦で5回に右前打を打って、メジャー18年目に達成。史上32人目の快挙だった。カージナルス、エンゼルスの主軸打者として活躍。2001年にメジャーデビューすると、同年にア・リーグのイチロー(マリナーズ)とともに新人王に輝いた。本塁打王2回、打点王1回、首位打者1回、MVP3回。イチローとともに殿堂入りが確実視されている。

○ジョー・マウアー(ツインズ)2000本安打
 4月12日のホワイトソックス戦で7回に中前打を放って達成。史上287人目だった。イチローと首位打者争いをしたこともある強打の捕手だったが、今季限りで引退を表明。地元ミネソタ出身でツインズ一筋のフランチャイズ・プレイヤーだった。

○クリスチャン・イエリッチ(ブルワーズ)シーズン2度のサイクル安打
 8月29日と9月17日のともにレッズ戦で記録。8月29日は6打数6安打と大暴れした。シーズン2度のサイクル安打は、1883年のジョン・ライリー(レッズ)、1887年のチップ・オニール(ブラウンズ)、1931年のベーブ・ハーマン(ドジャース)、2012年ダイヤモンドバックスのアーロン・ヒルに続く史上5人目の偉業となった。

 イエリッチの2回を含め、今季レギュラーシーズンでは4度サイクル安打が記録された。

8月9日 ムーキー・ベッツ(レッドソックス)
8月29日 クリスチャン・イエリッチ(ブルワーズ)
9月17日 クリスチャン・イエリッチ(ブルワーズ)
9月30日 チャーリー・ブラックモン(ロッキーズ)

 また10月8日の地区シリーズ、レッドソックス対ヤンキース戦では、レッドソックスのブロック・ホルトがサイクル安打。ポストシーズンでの記録は史上初という快挙だった。ホルト自身は2回目のサイクル安打だった。

ベッツは史上62人目の「30-30」を記録

○ムーキー・ベッツ(レッドソックス)トリプルスリーを記録

打率.346、32本塁打、30盗塁

 史上27人目だが、MLBではトリプルスリーという概念はなく、ベッツは史上62人目の「30-30(30本塁打30盗塁)」として注目された。

○マーク・レイノルズ(ナショナルズ)1試合10打点
 7月7日のメッツ戦に「6番・一塁」で先発し、5打席全てで打点を挙げた。

2回左翼本塁打(2打点)
4回左翼二塁打(1打点)
5回左前打(2打点)
6回左中間本塁打(3打点)
7回三塁内野安打(2打点)

○フアン・ソト(ナショナルズ)10代選手の20本塁打
 10代の選手が20本塁打を達成したの、史上3人目の出来事だった。コリグリアロ、ハーパーはともに後年、本塁打王になっている。ソトも大いに期待できるだろう。

1964年 トニー・コリグリアロ(レッドソックス)24本塁打
2012年 ブライス・ハーパー(ナショナルズ)22本塁打
2018年 ファン・ソト(ナショナルズ)20本塁打

 今季もスケールの大きな記録が続出した。来季もさまざまな記録の誕生を期待したい。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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