【MLB】どこまで飛んでいくのか…大谷翔平、規格外の2018年ホームラン飛距離トップ5

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

大谷の2018年ホームラン飛距離トップ5を振り返る

 野球で最もエキサイティングなプレーの1つは、特大のホームランだろう。スラッガーが、投手が投じたボールをジャストミートし、スタンドに放り込む様は、野球選手の圧倒的なパワーを最も強く感じることができる。

 2018年、MLB挑戦1年目にして22本のホームランを叩きこんだ大谷翔平投手。今シーズンのホームランの平均飛距離がMLB全体で15位という事実が示す通り、迫力あるホームランで随所に規格外のパワーを見せつけ、日本だけでなく米国のファン、メディア、そして選手たちを興奮の渦に巻き込んだ。

 今回は打者・大谷翔平が残した打席結果の中から、MLB公式サイトの解析システム「スタッドキャスト」を参考に飛距離トップ5を取り上げる。もちろん以下で出てくる打席の結果はすべてホームランだ。1年目で大谷が打者として刻んだ軌跡を振り返りたい。

○第5位 7月23日・ホワイトソックス戦 435フィート(約132.6メートル)

 第5位はホワイトソックスのトッププロスペクトの1人、ルーカス・ジオリート投手から放った一発だ。大谷と誕生日が9日違い、同い年のジオリートとはこの日が初対戦。「6番・DH」で先発した大谷は、第1打席こそ打ち取られたが、1点リードで回ってきた4回の第2打席。カウント2ボール1ストライクから投じられた外角いっぱいの93.5マイル(約150キロメートル)のツーシームを振りぬいた。打った瞬間ホームランと確信できる当たりで、打球はエンゼル・スタジアムのセンターフェンスに設置された木のはるか後方に着弾。ホワイトソックスのレンテリア監督も「エキサイティングな存在だ」と舌を巻くしかなかった。自身8本目のホームランは、飛距離435フィートを記録した。

○第4位 8月3日・インディアンス戦 443フィート(約135メートル)

 第4位はインディアンズ200奪三振カルテットの一人、13勝を挙げたマイク・クレビンジャー投手から放った一発。この試合の第1打席ですでにクレビンジャーからホームランを打っていた大谷は迎えた2打席目、フルカウントから投じられた94.1マイル(約151キロメートル)のフォーシームが若干甘くなったのを見逃さなかった。きれいに腕をたたみながらボールを叩いた瞬間、クレビンジャーはホームランを確信したのかガックリとうなだれ、試合後のインタビューでも「彼は本当に素晴らしい打者。並外れたパワーを持っている」と脱帽した。敵地プログレッシブ・フィールド右中間へと伸びていった打球は、飛距離443フィートの11号ソロとなった。

1位は衝撃の本拠地デビュー3戦連続弾、その飛距離は…

○第3位 7月8日・ドジャース戦 443フィート(約135メートル)

 第3位はドジャースのリリーフ右腕、JT・シャグワ投手から放った一発だ。同点で迎えた7回、代打で登場した大谷は、この回から救援登板していたシャグワと対峙した。2ストライク2ボールと追い込まれ、ファウルの後、バッテリーが選択した6球目はインコースのシンカー。内角に食い込んでくる95.8マイル(約154キロメートル)をうまく打ち抜いた大谷の打球は、センター後方に設置された“ロックパイル”と呼ばれる岩場に直撃。ドジャースのロバーツ監督を「彼には脱帽だ」とうならせた7号決勝ソロ。飛距離443フィートを記録した。

○第2位 7月25日・ホワイトソックス戦 446フィート(約135.9メートル)
 
 第2位は“ビック・ゲーム・シールズ”の異名を誇るベテラン右腕、ジェームズ・シールズ投手から放った一発。9度の2桁勝利、2011年にはサイ・ヤング賞投票3位に入るなど、輝かしい実績を持つ右腕に対して、2打席目まで空振り三振、四球ときていた大谷。5回無死二塁のチャンスで打席が回ってくると、初球の88.2マイル(約141.9キロメートル)のインコースのカットボールを振り抜いた。打球はぐんぐん伸び、ライトスタンドで待つエンゼルスファンの元へ。9号2ランは446フィートの特大の一発だった。

○第1位 4月6日・アスレチックス戦 449フィート(約136.9メートル)

 第1位はアスレチックスの若手右腕、ダニエル・ゴセット投手から放った一発だ。本拠地デビューから2試合連続でホームランを打っていた大谷。0-6で迎えた2回の第1打席、2ボールからゴセットが投じた93.8マイル(約150.9キロメートル)の甘いツーシームを見逃すはずがなかった。バットを一閃、打球は弾丸のようなスピードで飛んで行き、もはやおなじみとなったロックパイルを“襲撃”。目が覚めるような3号ソロは、大谷の今季自己最長となる飛距離449フィートをたたき出し、エンゼルスの6点差逆転劇を呼び込んだ。

 日本人として17年ぶりの新人王を獲得した大谷。シーズン終了翌日の10月1日にトミー・ジョン手術を受け、2019年シーズンは投手としては全休、打者に専念することになる。マークが厳しくなることが予想されるが、それを跳ねのけ、どのような刺激的なアーチを見せてくれるだろうか。(Full-Count編集部)

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