大分3発、初戦突破 全国高校サッカー選手権<第2日>【大分県】

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【1回戦・大分ー東邦】前半7分、先制ゴールを決めた大分のFW谷川=川崎市等々力陸上競技場
ゴールに喜ぶ大分の応援団

 サッカーの全国高校選手権第2日は31日、川崎市の等々力陸上競技場などで1回戦15試合があった。県代表の大分は東邦(愛知)と対戦。早い時間帯に先制した大分は前半19分に追加点を奪った。その後、1点を返されたものの、後半27分に大きな1点を追加。相手反撃を体を張って抑え、3―1で勝った。

 優勝経験のある東福岡や星稜(石川)、前回8強の明秀学園日立(茨城)米子北(鳥取)や秋田商なども勝ち上がった。

 大分は大会第3日の2日午後2時10分から、2回戦で同競技場で大津(熊本)と対戦する。

 ▽1回戦

大分3―1東 邦(愛知)

   2―1

   1―0

▽得点者【大】谷川、山口、菊地【東】仲井

 【評】先制して勢いづいた大分が粘る相手を振り切り、初戦突破を決めた。

 大分は立ち上がりからテンポよく攻めた。前半7分、MF菊地のクロスをFW谷川が左足で合わせて先制に成功。同19分にはゴール前へ抜けたMF山口が加点し、主導権を握った。

 その後、前半33分にFKから1点を返され、後半も相手の反撃に苦しんだ。

 だが後半27分、MF菊地が相手GKの動きを見定めた技ありのループシュートで突き放し、逃げ切りに成功した。

3点目が大きい

 大分・小野正和監督の話 早い時間帯に先制できていい流れをつくることができた。後半も集中して入るように伝え、3点目を取れたことが大きい。中学から一緒にプレーしている選手が多く、積み重ねも大きい。よく頑張ってくれた。

 自慢の攻撃力で主導権を握り続けた大分が東邦を下して2回戦に進んだ。MF山口卓己主将(3年)は「先制の1点で精神的な余裕ができた。いい流れで試合を続けられた」と笑顔で熱戦を振り返った。

 前半7分だった。ゴール手前のスローインから、ボールを受けたMF菊地孔明(2年)がFW谷川海翔(3年)へパス。「トラップが乱れたけど、(左足を)振り抜いたらいいところにいった。正直びっくり」(谷川)という見事な反転シュートで先制に成功した。

 「試合の入りが課題」(小野正和監督)だったが、この1点が不安を吹き飛ばした。「立ち上がりの集中と先制点が大事と話していた。うまくボールを回せて自分たちのペースにできた」(谷川)。高さのある相手に対し、細かいパスやドリブルで何度も敵陣へ進入。同19分には相手マークを外した山口主将がゴール前へ駆け上がり、大きな追加点を決めた。

 同33分にFKから失点を喫し、後半は押し込まれる場面もあった。

 だが大分の選手たちは落ち着いた様子で生き生きとしたプレーを続けた。1点リードで迎えた後半27分、右サイドでMF重見柾斗(2年)からパスを受けた菊地が見せた。「いいパスがきた。浮かせて決めるだけだった」(菊地)の言葉通り、落ち着いて前へ出てきた相手GKの上にループシュートを放ち、大きな3点目を奪って振り切った。

 監督として全国初勝利となった小野監督は「選手がよく頑張ってくれた」とたたえた。次の相手は全国高校総体8強の大津(熊本)。山口主将は「相手は強いが自分たちのサッカーをやるだけ」と気を引き締めた。 

演奏に合わせ大声援

 スタンドには部員、保護者や学校関係者ら約100人が集合。吹奏楽部約20人の演奏に合わせ、大声援でチームを鼓舞した。

 前半7分に先制点が生まれると、応援にもさらに力が入った。終盤に勝負の大勢を決定づける3点目が入り、スタンドはさらにヒートアップ。勝利を告げる笛が鳴り響くと、選手と一体となって喜びを爆発させた。

 会心の初戦突破に、保護者会長の小沢弘伸さん(52)=大分市=は「選手は落ち着いてプレーしていた。大分らしいスタイルだった」と振り返り、2回戦に向けて「強豪が相手だが強い気持ちで臨んでほしい。応援団も気合を入れて後押ししたい」と話していた。

名将、勇退飾れず

 多くのプロ選手を育てた樋口監督の退任が決まっている四日市中央工は初戦で敗退した。無得点に終わり「最後だから勝てるほど高校サッカーは甘くないですよ」と現実を受け止めた。

 観客席からは教え子たちが見守り、第90回大会で準優勝した時の中心選手、浅野拓磨(ハノーバー)は「僕の土台をつくってくれた人」と感謝を口にした。

 名伯楽は「20年以上やらせてもらって幸せだった」と笑みを浮かべてスタジアムを後にした。