アップルパンチ今年も決める/弘前出身の西武・外崎、チームの日本一、東京五輪へ侍ジャパン入り照準

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サイン入りグッズをファンに渡す外崎(中)=2018年12月24日、弘前
桜田市長(右)に今シーズンの報告をする外崎=2018年12月27日、弘前

 プロ野球パ・リーグを昨年、10年ぶりに制覇した埼玉西武ライオンズ。強打で頂点に立ったチームに欠かせない存在が、青森県弘前市出身の外崎修汰だった。勝負強い打撃、長打力などが光り、入団4年目の「若獅子」がグラウンドで躍動した。内野、外野ともに守れるプレーヤーとして存在感も大きい。「アップルパンチ」とファンから親しまれている外崎が2019年、さらなる高みを目指す。

 走攻守三拍子そろった野手として期待が高かった外崎の才能が開花したのは、入団3年目となった2017年シーズン。その年から指揮を執った辻発彦監督が起用を続け、同シーズンは135試合に出場した。

 「試合に出続けることによって、気持ちの安定感が出てきた。試合の中で反省点があれば、反省してその日で終わり。次の日は気にならない。すぐに切り替えることができるようになった」。試合出場が多くなれば成績もついてきた。入団1、2年目は2割に届かなかった打率は、2割5分8厘へジャンプアップした。

 背番号を「44」から辻監督が現役時代につけていた「5」に変更して臨んだ18年シーズン。強力打線がシーズン序盤からチームの首位快走を引っ張った。秋山(八戸大出)、源田、浅村、山川、栗山、中村らの強力打線に外崎も名を連ねた。「いろんな場面で自分に回ってくる。チャンスメークもするし、打たなければいけない大事な場面もある」。状況に応じた打撃が光った。出塁率3割5分7厘、得点圏打率3割6分、長打率4割7分2厘の好成績が物語る。

 複数のポジションが守れるユーティリティープレーヤーとして注目を集める。18年シーズンは外野手として80試合、三塁手61試合、二塁手として15試合に出場。試合展開や、離脱選手がいるなどのチーム状況に合わせて対応でき、戦い方に幅が広がる貴重な存在だ。

 130安打、18本塁打、67打点、打率2割8分7厘、25盗塁-。18年シーズン、これらの成績も軒並み自己最高を残した。「納得のいく成績」と充実感の一方で、「けがをしてしまい、1年間通しての試合出場を続けることができなかった」と悔しさもあった。

 9月2日、試合前の練習中に背中の張りを訴え、約1カ月欠場を余儀なくされ、開幕から続いてきたフルイニング出場が途切れた。優勝争いが大詰めを迎えた時期の離脱。「試合を見ていると複雑な気持ちで焦りみたいなものを感じた」と振り返る。

 「シーズンを通して出続けたい」-。19年シーズンの目標を掲げた。「シーズン中は調子が良いときもあれば悪いときもある。苦しみながら乗り越えていきたい」と、さらなる成長を誓う。

 18年シーズン、チームはリーグの頂点に立ったが、クライマックスシリーズでは2位のソフトバンクに敗れ、日本シリーズ進出を逃した。「日本一が目標となるが、まずは昨シーズンに続きパ・リーグを制覇することが大事。まずはそこを頑張る」と見据える。

 17年のアジアプロ野球、18年の日米野球と日本代表「侍ジャパン」に選出された。アジアプロ野球では日本の優勝に大きく貢献、MVPに選ばれた。「(ペナントレースと違い)短期決戦だが、そこでもいつもの自分でいられる。慌てることもないし、プレッシャーをかけすぎて自分を追い込むこともない」。大舞台での精神面の強さを裏付ける。

 2年連続の侍ジャパン選出で、20年東京五輪出場へ期待もかかる。「(東京五輪は)意識するが、まずはペナントレースで結果を出し、それを評価してもらって選ばれるものだと思う」

 まずは目の前のシーズンへ全力。「アップルパンチ」の19年が始まる。

5月 弘前で凱旋試合/子どもたちに「全力」見せる

 「スリー、ツー、ワン、アップルパンチ!」。ヒーローインタビューのお立ち台に立った外崎が、スタンドのファンとともにコールする。実家がリンゴ農家、弘前市出身。お立ち台での姿からは、故郷弘前への思いがあふれる。

 今年、弘前市で3年連続となる楽天1軍戦は、5月29日の西武戦と決まった。地元出身の外崎がいる西武との1軍戦は、地元関係者からは「最高の組み合わせ」との声が聞かれる。

 外崎は「(弘前での試合に)行きたいと思っていた。すごく楽しみ」と喜ぶ。弘前でのプレーについて「打てれば一番いいが、全力疾走、守備でしっかりカバリングしているところを野球をやっている子どもたちに見せたい」と意気込む。

 「全力疾走やカバリングは、野球をやっていた小さいころに『しっかりやれ』と言われていたこと。プロ野球選手にも必要なんだと伝えたい」。昨年は後輩の少年野球チームが全国大会に出場した際、子どもたちそれぞれの名前が入ったシャツをプレゼントした。故郷の野球少年への思い入れは強い。

 「野球をやる子どもたちが少なくなっていると聞く。野球の楽しさを伝えたいし、野球をやりたいと思う子どもたちが増えてくれれば」。故郷での全力プレーを誓う。