2019年に行きたい海外の旅先12選 ~ベストシーズンの月とともに~

いよいよ、平成が終わりを迎える2019年。今年の旅の計画は決まりましたか?世界には、まだ見ぬ美しい風景が数多く眠っています。今年こそは、いままでとは一味違う場所を訪ねてみてはいかがでしょう。2019年におすすめの12の海外の旅先を、ベストシーズンの月とともに一挙ご紹介します。

1月:スリランカ

「光り輝く島」の意味をもつスリランカ。インドの南に位置する島国で、面積は北海道の0.8倍と小さいながら、ビーチや森林などの手つかずの自然が随所に残る、自然豊かな国です。

国民の多くが仏教徒であることから、仏教関連の文化遺産も豊富。ブッダの歯を祀る仏歯寺を擁する古都キャンディや、ダンブッラの石窟寺院、聖地アヌラーダプラや古代都市ポロンナルワは世界遺産。スリランカの世界遺産といえば、狂気の王が地上200メートルの岩山の上に宮殿を築いたシーギリヤロックも忘れてはなりません。

豊富な文化遺産と手つかずの自然が残る土地に、穏やかで親切な人々が暮らすスリランカ。一度行けばあなたもきっとその癒しパワーのとりこになるはず。スリランカのベストシーズンは、最大の都市コロンボがある南西部や、文化三角地帯がある中央部で1~3月ごろです。

2月:ランカウイ島・ペナン島

国土の60パーセントを熱帯雨林が占める東南アジアの国、マレーシア。マレーシアといえば、LCC「エアアジア」の本拠がある首都クアラルンプールが有名ですが、離島では大都会クアラルンプールとはまったく異なるマレーシアの魅力にふれることができます。

マレーシアの島々で、この時期に訪れたいのがランカウイ島とペナン島。ランカウイ島は、リゾートとしての歴史が比較的浅いため、近年開発されたおしゃれなリゾートが多く、のんびり派の休暇に最適です。

一方のペナン島は、中心都市ジョージタウンが世界遺産に登録されている歴史ある島で、街歩きや屋台での食事も楽しめるにぎやかなリゾートアイランド。時間に余裕があれば、2つの島をはしごして、スタイルの異なる島旅を満喫するのもいいですね。

ランカウイ島のベストシーズンは1~3月ごろ、ペナン島のベストシーズン12~2月ごろ。首都のクアラルンプールは、一年中観光が楽しめます。

3月:ネパール

ヒマラヤの山々に閉ざされて、独自の文化を守り続ける神秘の国ネパール。2015年の大地震が記憶に新しいところですが、現在ではずいぶん復興が進み、おもな歴史的建造物は、かつての壮大なる姿を取り戻しました。

ネパールといえば、まずは世界遺産に登録されているカトマンズ盆地。この地域は、古くから文明が行き交ったために文化遺産が多く、首都カトマンズは、近郊にある古都パタンやバクタプルとともに、「カトマンズ盆地」として世界遺産に登録されています。

陸の孤島のようなネパールの地形も手伝って、カトマンズ盆地に点在する街々は、数百年にわたって時を止めているかのような古色蒼然とした景観と神秘的な雰囲気が魅力。「カトマンズ盆地にいると、ネパールが「神々の棲む国」といわれる意味がわかります。

自然豊かな山の国として知られるだけに、ヒマラヤトレッキングや世界遺産のチトワン国立公園でのサファリ体験といった、自然アクティビティも見逃せません。ネパールのベストシーズンは、10、11月および3、4月です。

4月:モロッコ

迷路のような路地に、喧噪の市場、エキゾチックなイスラム建築と、目にするものすべてが新鮮で絵になる北アフリカの国、モロッコ。ヨーロッパを中心に世界各国から多くの旅行者を迎え入れている観光大国でもあり、アフリカ大陸では旅行のしやすい国です。

モロッコの代名詞ともいえるのが、世界遺産の古都マラケシュ。無形文化遺産に登録され、夜ごとお祭り騒ぎが繰り広げられるジャマエルフナ広場や、世界最大ともいわれるスーク(市場)など、この街のあふれんばかりのエネルギーには、誰もが圧倒されます。

「世界一の迷宮都市」ともいわれるフェズや、古都メクネス、首都ラバト、砂漠の集落アイット・ベン・ハッドゥ、港町エッサウィラなど、世界遺産には枚挙にいとまのないモロッコ。

それに加えて、近年フォトスポットとしてブレイクした北部の青い街、シャウエンも必見です。街全体が神秘的な青に染まった旧市街は、まるでおとぎの世界。写真好きなら、シャッターが止まらなくなってしまうでしょう。モロッコのベストシーズンは、4、5月および10月ごろです。

5月:マルタ

地中海に浮かぶ小さな島国、マルタ。おもにマルタ島とゴゾ島、コミノ島という3つの島から構成される島国で、世界有数ともいわれる透明度を誇る海の絶景が楽しめます。

マルタの最大の見どころのひとつが、マルタ島に位置する首都ヴァレッタ。ヴァレッタは、聖ヨハネ騎士団が整備した都市で、海に浮かぶ要塞のような景観は圧巻。マルタストーンの家々が並ぶ起伏の多いヴァレッタの街を歩けば、異世界に迷い込んだかのような気分になります。

ほかにも、古都イムディーナや、騎士団が最初に要塞化したスリーシティーズ、カラフルな漁村マルサシュロック、世界遺産の巨石神殿群など、マルタ島は多彩な見どころの宝庫。

マルタ滞在中、一度はゴゾ島やコミノ島にも足を延ばして、マルタ本島よりもさらに自然豊かでのどかなマルタの魅力にふれてみてください。マルタのベストシーズンは、5~9月ごろです。

6月:ポーランド

近年女性のあいだでじわじわと人気が高まっているヨーロッパの旅先が、ポーランド。メルヘンチックな中世の街並みが点在し、治安が良く、ヨーロッパの国としては物価も安いとくれば、人気が出るのも当然というわけです。

京都のような古都の風情をもつ古都クラクフや、旧市街が世界遺産に登録されている首都ワルシャワやザモシチ、ハンザ同盟の栄華を物語る港町グダンスクや、メルヘンチックな小人の町ヴロツワフなど、ポーランドにはゆっくりと訪ね歩きたい街が盛りだくさん。

雑貨好きなら、陶器も魅力のひとつ。手作りの温もりを感じさせる、素朴な可愛らしさで人気のポーランド陶器は、日本でも人気上昇中ですが、現地なら日本よりずっと手ごろな価格で手に入ります。ポーランドのベストシーズンは、6月下旬から8月ごろ。

7月:ジョージア

ヨーロッパではすでに人気の観光地となっている、南コーカサスの国ジョージア。日本では最近まで「グルジア」と呼ばれていたので、グルジアの呼称のほうがよく知られているかもしれませんね。

ジョージア旅行がヨーロッパで人気を集める理由は、大コーカサス山脈に代表される雄大な自然と、歴史的な街並みに代表される人工物の融合にあります。しかも物価が安いとあって、バックパッカーのあいだでは「沈没地」としても有名。

「最高の国はジョージアだった」という日本人の世界一周経験者もいるくらい、実際に訪れた人のあいだでは高く評価されている国なのです。

ジョージアの首都トビリシは、東西の文化が混じりあうエキゾチックな街並みが魅力。旧市街は19世紀の景観を残しており、初めてでもどこか懐かしい風情を味わうことができます。

ジョージアは、知られざる美食の国。文明の十字路にあったため、さまざまな地域の料理のいいとこどりをしたような食文化が育まれたのです。食材や調理法のバリエーションは、じつに豊富。味つけもマイルドなので、日本人の口にもよく合います。ジョージアのベストシーズンは6~9月ごろ。

8月:トルコ

2018年10月、イスタンブールに新空港が開港し、再び注目を集めているトルコ。日本の約2倍の広大な国土には、歴史的な街並みに大都会、古代遺跡、ビーチ、山や渓谷と、およそ旅行者が求めるものすべてがあります。

最大の都市イスタンブールは、古くから世界各国の旅行者を魅了してやまない文明の交差点。旧市街はまるごと世界遺産に登録されており、「世界一美しいモスク」ともいわれるブルーモスクや、巨大市場グランドバザール、オスマン帝国の栄華を物語るトプカプ宮殿など、華やかな歴史に裏打ちされた、イスラム情緒漂う見どころがたっぷりと詰まっています。

キノコのような奇岩群が連なる中部アナトリアのカッパドキアや、西部の石灰棚パムッカレなど、トルコのダイナミックな自然が生み出した世界遺産も必見。美しいビーチと歴史ある街並みがあわせて楽しめる、南西部のボドルムやフェティエ、アンタルヤといったビーチリゾートも魅力的です。

トルコのベストシーズンは、一般に6~9月とされていますが、地中海性気候の南西部では、11月ごろまで暖かく快適に過ごせます。

9月:ウズベキスタン

まだまだ未知のイメージが強い、中央アジアの国、ウズベキスタン。世界遺産の古都サマルカンドをはじめ、シルクロードの中継地点として栄えた都市を抱え、行く先々でエキゾチックな風景に出会えます。

以前は渡航前にビザの取得が必要でしたが、2018年2月から日本パスポート保持者は、30日以内の滞在であればビザが免除に。ウズベキスタン旅行がより気軽になりました。

ウズベキスタンで必ず訪れるべきが、「青の都」と称される世界遺産、サマルカンドです。サマルカンドのかつての政治、文化、商業の中心地が、レギスタン広場。3つのメドレセ(神学校)が織りなす均整と色彩の美は圧巻で、いつまでも眺めていたくなります。

同じく世界遺産に登録されている聖都ヒヴァや、2重の城壁に囲まれたブハラなど、歴史あるイスラム都市をじっくりとめぐりましょう。ウズベキスタンのベストシーズンは、4、5月および9、10月ごろです。

10月:ミャンマー

民政移管後、旅先としての人気が高まっているミャンマー。ウズベキスタン同様、以前はビザの取得が必須でしたが、2018年10月から2019年9月末まで、日本パスポート保持者に対し、試験的にビザが免除されています。効果しだいでは、試験期間終了後も恒久的にビザが免除される可能性もあります。

年配者がしばしば「昔の日本を見ているようだ」と称するように、東南アジアのなかでも秘境の雰囲気漂うミャンマー。この国で絶対に見逃せないのが、聖地バガン。アンコールワット、ボロブドゥールとともに世界三大仏教遺跡に数えられているバガンでは、乾燥した大地に数千のパゴダ(仏塔)が林立する文句なしの絶景が広がっています。

アンコールワットやボロブドゥールに比べると、まだ観光客も少なく、ひときわ神秘的な雰囲気に圧倒されるはず。

これまで、バガンの世界遺産登録に向けた試みは失敗に終わってきましたが、うまくいけば2019年7月の世界遺産委員会での登録が実現するかもしれません。ミャンマーのベストシーズンは、10月下旬~2月ごろです。

11月:ラオス

東南アジア・インドシナ半島の小国、ラオス。国土が小さいうえに山がちで、バンコクやホーチミンのような大都市はありませんが、素朴な風景と穏やかな人々が、世界の旅行者を魅了しています。

ラオス最高の観光地といえば、なんといってもルアンパバーン。かつてランサーン王国の都として栄えた古都で、街全体が世界遺産に登録されています。派手な観光スポットがあるわけではありませんが、居心地の良さはピカイチ。

仏教寺院が点在する東南アジアらしい街並みと、フランス統治の面影を残すコロニアル建築が融合した風景は、どことなく南欧を思わせる幻想的な雰囲気があります。少数民族の雑貨などが買えるナイトマーケットや、早朝の托鉢もルアンパバーン名物。ラオスのベストシーズンは、11~2月ごろです。

12月:パラオ

西大西洋の500以上の島々からなる国、パラオ。日本では、まだまだメジャーな旅先とはいえませんが、美しい大自然を誇るパラオは、世界のダイバーたちの憧れの地です。

パラオのシンボルともいえるのが、世界遺産にも登録されているロックアイランド。パラオのロックアイランドは、火山活動によって隆起した石灰岩の無人島で、こんもりとしたキノコのような形が特徴的です。なかでも美しいといわれるのが、セブンティアイランド。紺碧の海に40ほどの緑の島々が浮かぶ光景は、「これぞパラオ」という絶景です。

ほかにも、海に溶け込んだ石灰岩が泥となって海底に溜まり、神秘的な乳白色となったミルキーウェイや、潮が引いたときだけ、800メートル続く白砂の回廊が現れるロングビーチなど、ため息なしには見られない極上の自然風景の数々が待っています。パラオのベストシーズンは、11~4月ごろ。

2019年に行ってみたい場所は見つかりましたか。旅は思い立ったときが行きどき。これから1ヵ月ごとに、12の旅先をさらに詳しく紹介していきますので、そちらもあわせてどうぞ。

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