【MLB】菊池雄星、マリナーズでは先発ローテ2番手と米メディアが予想「中核の一員に」

マリナーズとの契約合意が報道された菊池雄星【写真:荒川祐史】

4年契約も最大7年契約まで延長可能の異例契約、菊池は「再建に貢献する」選手に

 西武の菊池雄星投手がマリナーズとの4年契約に合意したと、米複数メディアが報じた。3年終了後に選手側に契約を1年延長を選択できるオプションが付いており、これを4年契約に変更して最大7年契約にできるという異例の内容。再建中のチームで菊池にかかる期待は大きく、米メディアは先発2番手になると予想している。

 米東部時間2日午後5時(日本時間3日午前7時)に迫っていた交渉期限目前でついに決着した争奪戦。MLB公式サイトによると、菊池の身体検査に問題がなければ、正式契約を結ぶことになるという。スクープを連発する敏腕記者として知られる米メディア「ファンクレド・スポーツ」のジョン・ヘイマン氏は、ツイッターで「キクチは独特な契約を結んだ。初めは4年契約(3年と2022年の選手オプション)。しかし、4年目の選手オプションは4年の契約延長に置き換えることもでき、トータルでは7年となる」とレポート。この異例の契約内容も話題となっている。

 マリナーズは今オフ、主砲のロビンソン・カノ内野手、守護神のエドウィン・ディアス投手をメッツ、エース左腕のジェームズ・パクストン投手をヤンキースにトレードするなど、主力を大量放出する「ファイヤーセール」を行っている。イチロー外野手のルーキーイヤーだった2001年を最後にプレーオフ出場から遠ざかっているが、代わりに獲得した有望な若手でチーム再建を進め、数年後に優勝を争えるチームを作り上げる方針だ。菊池はその中心的存在として期待されている。

「CBSスポーツ」電子版は、菊池とマリナーズの契約合意が報じられたことを伝える特集記事を掲載。その中で、花巻東の後輩であるエンゼルスの二刀流・大谷翔平投手を引き合いに出し、「同国のショウヘイ・オオタニとは異なり、キクチは投手専門だ。登板間でDH出場することはない」と言及している。

 また、「マリナーズは豊かな日本人選手の歴史がある」とも指摘。「2001年には将来の殿堂入り選手であるイチロー・スズキと契約。またケンジ・ジョウジマやヒサシ・イワクマなどの注目選手が在籍した」と続けた。日本人と縁の深いマリナーズで適応はスムーズに進むことが期待できる。

 さらに、マリナーズが再建中であることも紹介し、「キクチは次なる中核の一員になれるだけの若さがある。そして、再建に貢献する」と期待。2019年シーズンの先発投手陣の“序列”は、(1)フェリックス・ヘルナンデス(2)菊池(3)マイク・リーク(4)マルコ・ゴンザレス(5)ウェイド・ルブラン(6)ロエニス・エリアス(7)ジャスティ・シェフィールド(8)エリック・スワンソン、となると分析している。2015年に西武で菊池とチームメートだったベテラン左腕ルブランは昨季9勝5敗、防御率3.72と奮闘していた。

 再建1年目の今季は苦しい戦いが予想されるマリナーズだが、菊池のメジャー適応とともにチームも力を蓄えていくことになりそうだ。(Full-Count編集部)

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