新庄、ジーター、オルティス…引退表明→ラストイヤーで花道を飾った選手は

現役時代のデビット・オルティス(左)とデレク・ジーター【写真:Getty Images】

新庄剛志は06年シーズン序盤で引退表明→新庄劇場→日本一

 日本ハムの田中賢介内野手が2019年限りで現役を引退すると12月25日に発表した。札幌市内の球団事務所でチーム大トリとなる契約更改交渉に臨み、日米通算20年目となる19年シーズンでユニホームを脱ぐ決断を下したことを明かした。

 球界を引っ張ってきた選手に許される、早い段階での“引退表明”。日本球界で引退表明が早かった選手の代表例としてまず名前が挙がるのが、日本ハムの新庄剛志外野手だろう。2006年4月18日のオリックス戦(東京ドーム)で放った本塁打を「28年間思う存分野球を楽しんだぜ。今年でユニホームを脱ぎます打法」と命名。7回には満塁弾を放ち、お立ち台で「タイガースで11年、アメリカで3年、日本ハムで3年……。今シーズン限りでユニホームを脱ぐことを決めました」と宣言し、周囲を驚かせた。

「新庄劇場」と注目され、ファンから引退撤回を求められる中、レギュラーシーズンでは126試合に出場し、打率.258、16本塁打、62打点を記録。自身初の日本シリーズ出場&日本一を達成し、日本ハム入団時の目標だった札幌ドーム満員と日本一を達成してユニホームを脱いだ。

 中日の立浪和義内野手は08年の契約更改で翌09年での現役引退を示唆。開幕から注目を集め、主に代打で打率.318、1本塁打、17打点をマークした。ロッテの井口資仁内野手は17年6月20日に同年限りでの現役引退を表明。チームは最下位に低迷し、「今は一つでも多くの勝利と一つでも上の順位を目指し、チームの力となって全力を尽くしていきたい」とコメント。チームは最下位のままだったが、引退試合となった9月24日の日本ハム戦(ZOZOマリン)では同点2ランを放ったのが印象的だった。

ジーターはシーズン前に引退表明→本拠地最終戦でサヨナラ打、オルティスは打点王

 近年の大リーグで、早期の引退公表で強烈なインパクトを与えたのが名門球団引っ張った2人だろう。まずはヤンキースのデレク・ジーター内野手。95年からヤンキース一筋でプレーし、5度のワールドシリーズ制覇に貢献。歴代6位の3465安打を放ち、ニューヨーカーから「ザ・キャプテン」の愛称で親しまれたが、14年シーズン前の2月12日に同年限りでの現役引退を発表した。敵地でも引退を惜しまれ、オールスター戦にはファン投票で14度目の選出。レギュラーシーズンでは145試合出場、打率.256、4本塁打、50打点だったが、ヤンキー・スタジアムでの最終戦となった9月25日のオリオールズ戦では同点の9回1死二塁で打席が回り、サヨナラ打を放つ劇的な幕切れを演出した。

 ヤンキースの宿敵・レッドソックスの看板選手だったデビット・オルティス内野手は引退するシーズンでジーターを上回る活躍を見せた。15年11月18日に16年シーズンで現役を引退すると発表。シーズン序盤から好調を維持し、打率.315、38本塁打、127打点、長打率.620、OPS(出塁率+長打率)1.021を記録。自身3度目となる打点王に輝き、30発&100打点以上を記録したのは通算10度目だった。シーズン中から引退撤回を求めるファンが続出する中、惜しまれる中での現役引退となった。

 田中賢は99年ドラフト2位で日本ハム入り。日米通算1468安打を誇り、ベストナインに6度、ゴールデングラブ賞に5度選出された。06、07、09、12、16年とチームのリーグVに貢献。巧打と堅守で長年チームを支えてきたベテランが、現役ラストイヤーに3年ぶりのリーグ優勝&日本一で花道を飾ることができるのか注目だ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2