総延長は25.3kmで広島電鉄に次ぐ規模【私鉄に乗ろう 74】

※この「私鉄に乗ろう」の写真は、筆者がプライベートな旅で撮影したものです。鉄道会社さんから許可をいただいていませんので、乗車券があれば誰でも入れる場所から、手持ちで撮影したスナップ写真です。ポケットに入るコンパクト・デジタルカメラ(SONY DSC-WX500)で撮影しています。2018年7月24日(火)の撮影。

【私鉄に乗ろう 74】とさでん交通軌道線 その1

とさ電交通は、土佐電気鉄道(軌道線)高知交通(バス)土佐電ドリームサービス(バス)の3社が2014年(平成26年)に経営統合した会社。人口減少、高齢化、モータリゼーションと公共交通機関利用者が減り続ける中で、高知県中心部の公共交通の将来を見すえて経営統合したものです。
現在の”伊野線””後免線””桟橋線”の軌道線は土佐電気鉄道が運営していました。後免と安芸を結ぶ安芸線もありましたが、1974年(昭和49年)に廃止。軌道線の総延長は25.3kmで広島電鉄に次ぐ規模です。

とさ電交通のホームページから軌道線の路線図を(すみません無断で)拝借してきました。

大雑把に、北のJR高知駅から南の桟橋5丁目を結ぶ桟橋線、西の伊野と東の後免を結ぶ伊野線、後免線が「はりまや橋」で交差しています。

朝イチでJR高知駅からはりまや橋のとさ電交通高速バス案内所に軌道全線1日乗車券(1000円)を買いに行きました。大荷物は高知駅のコインロッカーに放り込んで行こうと気軽に思っていましたが、ロッカーにコインを入れ始めたところで、本日はとさ電交通の路面電車に乗って最終的にはJR後免駅からJR髙松駅に移動する予定であることを思い出しました。結局、終日大きな荷物を持って路面電車の超狭い下車口を何度も降りることになりました。

はりまや橋交差点。真っ直ぐ(南に)行けば桟橋線、右(西)は伊野線、左(東)は後免線です。ダイヤモンドクロッシングが中心にあります。交差点を渡ると桟橋線はりまや橋停留場があります。

運転士さんに1日乗車券を買う旨を伝えてるので、無料でいったん下車。とさ電交通案内所のカウンターが8時半に開くのを待って1日乗車券を購入。まずはさんばし行に乗ります。これが停留場。桟橋線は、3.2営業キロに起終点を含む11の停留場があります。終点の桟橋通五丁目終端部を除いて複線です。

すぐに鏡川を渡ります。

前面展望が逆光なのでとりあえず終点の桟橋五丁目まで行って復路で前面展望を撮ります。桟橋五丁目停留場、単式ホームなので高知駅行電車が出てから入線します。

終端部があります。2009年(平成21年)停留場が改修されて現在のホームと屋根が作られました。それまでは何も無い地面だけの停留場。

終端部からの眺め。降車は常に運転士横の前側左ドアなので右が短い降車ホーム、左は乗車ホームです。航空写真で見ると右の堤防の向こうは高知港で、すぐに海です。桟橋には船が係留されていますが、堤防が高くて分かりません。

駅名標。1905年(明治38年)桟橋線(当時は潮江線)の延伸で桟橋停留場として開業。1938年(昭和13年)に現在の桟橋五丁目に改称されています。昭和20年頃までは伊野線伊野停留場から地元で生産された土佐和紙などをここまで運んでいました。

電車が来ました。土佐電気鉄道1000形電車。1981年(昭和56年)アルナ工機(現・アルナ車両)製で2両が作られました。元は1957年(昭和32年)から1964年(昭和39年)に製造された西鉄331形電車の日立製作所KL-11B付随台車を動力台車化して使用しています。他に主制御器、パンタグラフなども流用されました。

1000形電車の進行方向前部。これから前面展望を撮っていきます。

【私鉄に乗ろう 74】とさでん交通軌道線 その2 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)

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