選挙イヤー、知事選3月21日告示

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福井県庁=福井県福井市

 春に統一地方選、夏には参院選-。亥年は、この二つの選挙が同じ年に行われる12年に一度の「選挙イヤー」だ。このうち福井県知事選は、西川一誠氏(74)と杉本達治氏(56)による総務省OB同士で現職対前副知事という異例の対決構図が濃厚となっている。自民党県連はどちらを推薦するかで亀裂を深め、分裂選挙に突入することが必至となっている。

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 このほかには、県議会議員の中井玲子氏(60)が立候補を表明し、▽福井版少子化対策▽女性の活躍の場、促進―などを柱に、子育て世代の女性の社会進出支援などに力を入れる考えを示している。共産党県委員会は、県労連や県民医連などでつくる「県民が主人公の県政をつくる会」を母体に、候補者擁立の協議を進めている。

 5選を目指す現職の西川氏は、昨年10月29日の定例会見で事実上の出馬表明をした。約1カ月後、12月定例県会が開会した11月26日の提案理由説明で正式表明し、「これからの4年余りは、将来を左右する世紀に一度の重大な局面だ。ふるさと福井の新時代に向けて全身全霊をささげる」と決意を述べた。政策の理念は、県民一丸で成功させた福井国体・全国障害者スポーツ大会の総力を結集させ、北陸新幹線県内開業効果の最大化や幸福度のさらなる向上につなげることなどが柱だ。

 企業・団体の推薦状は600を超えた。この数は2015年の前回知事選で得た600弱を上回り、県経済団体連合会や連合福井をはじめ、医療・福祉、女性の会などさまざまな分野から提出されている。自民党を支持する業界・団体でつくる職域支部のうち19支部の推薦状も含まれている。後援会連合会の幹部は「わずかな期間で前回を上回る推薦状をいただいた。西川氏の実績や政策を訴える契機にしたい」と話している。

 杉本氏は、県議や市町議員の出馬要請を受け、昨年11月2日に立候補表明した。若さと行動力をアピールし、「今こそ県政のあり方を変える時。福井に新しい風を吹き込みたい」と世代交代を狙う。

 4年ごとのマニフェストを重視する現職の政治手法と一線を画し、長期ビジョンに基づく県政への転換を目指す。4年後の北陸新幹線敦賀開業などを契機に観光客誘致や移住促進を強化するという。さらに現状の県と市町の関係を「ともすると上意下達になっている」と指摘。「しっかり見直し、県が市町を応援して住民にとって一番いい行政を実現したい」と訴える。

 政治活動の足掛かりとなった地方議員組織が発展的に解散し、市町議員約200人による支援団体「新しい風ふくい」が立ち上がるなど、支援組織も充実してきた。議員らの紹介で県内をくまなく回り、イベントや会合、企業などを連日訪ね、知名度不足の解消に努めている。市町議員の有志が推薦状を交付したほか、主要団体では県建設業協会が推薦を決めた。

 異例の対決構図の余波で、自民党県連が仲間割れする異例の事態となっている。

 県連の山崎正昭会長や斉藤新緑幹事長ら執行部は昨年11月10日、「知事選候補者の推薦は連続3期まで」とする党本部の選挙対策要綱に基づくルールにのっとって杉本氏の推薦願だけを協議し、党本部への上申を決めた。だが、西川派の県議らは「規約というが、県連は4選出馬の際に推薦した。門前払いはおかしい」と異議を唱え、抗議文を提出した。その後の総務会、定期大会も大荒れとなった。県会最大会派の県会自民党が分裂する事態にまで発展した。

 県連は昨年12月25日、杉本氏に県連としての推薦状を交付した。だが、この日に発足した新執行部のメンバーに西川派の県議の名前は一人もなかった。対立が先鋭化し、混迷の度合いを深めている。

 西川氏と杉本氏はかつて、共に県政運営に当たっていただけに政策の明確な対立軸はない。漂流する民意を引き寄せようと、両氏の激しい綱引きが繰り広げられそうだ。