【MLB】大谷翔平は打者1本で50発、二刀流で3割30本 長谷川滋利氏が語る可能性

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

メジャー1年目で自己最多の22本塁打を放った大谷「松井に匹敵、あるいはそれ以上」

 エンゼルスの大谷翔平投手は投打の二刀流で全米を沸かせ、ア・リーグ新人王に輝いた。オリックス、マリナーズ、エンゼルスで日米通算102勝をマークした長谷川滋利氏は、二刀流ルーキーがメジャー1年目で活躍できた理由をどう考えるのか。「打者・大谷」の凄さと、今後の可能性について語ってくれた。

 大谷は昨季、投手で10試合に登板し4勝2敗、防御率3.31、打者として打率.285、22本塁打、61打点、10盗塁とチームの中軸として移籍1年目から大活躍を見せた。「打者・大谷」はメジャーの舞台で自己最多タイとなる22発を放ったが、長谷川氏は「日本の感覚だとこれまでは松井秀喜が一番のホームランバッターという認識だったでしょうが、それに匹敵する、あるいはそれ以上のバッターが出てきたのかなと思います」と、メジャーの中でも屈指の長距離砲と評価した。

 スプリングトレーニングでは結果が出ず懐疑的な見方もあったが、打撃フォームをすり足に変更し、メジャー特有の“動く球”に対応。長谷川氏も当初は「春のキャンプの時に見た時はボールを捉えていなくて、あれ?っと思った」というが「フォームを変更してアジャストしてきた。そこまでバットを振らなくても大きな当たりを打てることを分かったと思う。シーズンを通して打撃面では何かを掴んだ感じがします」と対応能力の高さに驚きを覚えたという。

オリックス、マリナーズ、エンゼルスで日米通算102勝をマークした長谷川滋利氏【写真:本人提供】

打者専念で50本塁打を打つ可能性も十分にある「タイプ的にはバリー・ボンズ」

 シーズン後には右肘靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、今年は打者1本で勝負することが決まっている。開幕までに復帰できるかは未定だが、十分にタイトル争いに加わる可能性があるという。

「1年目である程度、コツはつかんでいる。打率も残せるし、ホームランだって期待できる。50本打つ可能性もなくはない。タイプ的にはバリー・ボンズのような率も残せて、走れて、尚且つ長打も打てる。大谷にはそれぐらいのポテンシャルはあると思う」

 昨季は序盤戦に二刀流を成功させ、全米から注目を浴びた。初のタイトルとなる新人王を獲得し、2019年以降も大きな期待がかかる。それでも大谷の将来図はまだ見えてこないと長谷川氏は分析する。

「二刀流は大賛成ですが、それがどこまで評価されるかでしょうね。今年は打者1本で目指せるタイトルもたくさんあるが、2020年から投手、野手を再び挑戦した時にどのタイトルが取れるのか。その辺りを向こう(米国)がどう考えるか。二刀流でいくならトラウトのように3割30本100打点を目指してア・リーグのMVPが一番の目標になるでしょう」

 投手、野手として類まれな才能を持ち、尚且つ努力を惜しまない大谷。長谷川氏は日本、そして全米が注目する二刀流の今後に活躍に期待を込めていた。(Full-Count編集部)

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