「対馬魚類図鑑」制作 本年度内にHPで公開 対馬市

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 長崎県の対馬市は、対馬の魚介類についてまとめたオンライン版図鑑「対馬魚類図鑑」(仮称)の制作を進めている。九州大(福岡市)と連携し、対馬近海で確認された海水魚359種のうち約50種をピックアップ。魚の生態をまとめたほか、対馬の地方名や食文化についても紹介している。本年度内にも、市のホームページ(HP)で公開する。
 対馬の魚介類水揚げ量は1982年に約4万7千トンだったが、2015年時点で約1万7千トンへと大幅低下。全島で82年に約7700人いた漁協組合員も、15年時点で約4200人まで減っている。
 「対馬魚類図鑑」は、対馬の海を守り、豊かな水産資源を次世代に残していこうと、市が2017年度から九州大大学院の清野聡子准教授(海岸環境保全学)と制作開始。漁業者らの協力を得て、水揚げ直後の新鮮な魚をプロ写真家が撮影。清野准教授が解説し、18年末時点で約60ページ分を完成させている。
 同図鑑は5部構成。「対馬の代表的な魚」コーナーでは、アカアマダイやアカムツなど6種を特集。アカムツは、地方名「のどぐろ」が、のどが黒いことに由来していると説明した上で、口を大きく開け黒いのどが見える写真も掲載した。アカムツのはえ縄漁は、気を抜くと体に針が食い込むことから「熟練した漁師のみができる職人技」と紹介している。
 このほか「対馬市民の参加型魚図譜」コーナーでは、伝統料理や漁獲風景に関する投稿写真を受け付けている。海中の藻場が枯れる「磯焼け」について現状を紹介した特集もある。
 市水産課の三原立也主幹は「対馬の海の魅力や課題を島内外で広く共有することが、持続可能な漁業の確立につながる」と指摘。清野准教授は「市民参加型で、住民が対馬の海の価値を再発見できる点がこの図鑑の特色。水産業の底上げや魚食文化の継承につなげていきたい」と話している。
 同図鑑への投稿は対馬市水産課へ電子メール(suisan2@city-tsushima.jp)で。

「対馬魚類図鑑」のアカムツを特集したページ(対馬市提供)
「対馬市民の参加型魚図譜」のページ