<大間産マグロ>一本釣りで3億3360万円、初夢仕留める「命懸けで釣ったマグロ味わって」

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3億3360万円の値段を付けたマグロを釣り上げた藤枝さん(左)と須藤さん=4日午前6時20分ごろ、青森県大間町の大間漁協(藤枝さん提供)

 5日の東京・豊洲市場の初競りで、青森県大間産のクロマグロに過去最高の3億3360万円の値が付いた。「一本釣りで(最高額を)取ったのがうれしい」。真冬の海で大物を仕留めた大間町の漁師藤枝亮一さん(64)は報道陣の取材に喜びを語った。

 チャンスは初競りに間に合うぎりぎりの時間に訪れた。4日午前4時20分ごろ、津軽海峡の竜飛崎沖1キロ。コンビを組む義弟の須藤愛教さん(49)が投げ入れた仕掛けに獲物が食い付いた。

 「根掛かりしたのではと思うほど重たかった」。藤枝さんがテグスを引き寄せ、須藤さんが電気ショッカーを投入。約20分間で釣り上げた。

 丸々と太った278キロの魚体は、藤枝さんの第28光明丸(4.9トン)の水槽に入り切らなかった。船上で腹に氷を詰め込んで港に水揚げし、約14時間かけて豊洲に運んだ。

 藤枝さんは一本釣りに魅せられ、19年前に仲買人の仕事を辞めて漁師の世界に飛び込んだ。自己流で腕を磨き、200キロを超す大型マグロを何度も釣り上げてきた。それでも初競りに出荷できたのは今回が初めてだった。

 冬になると海が荒れ、小型船を使う一本釣りは漁に出られる日が少ない。大間では、大型船のはえ縄漁が初競りで10年以上にわたって最高額を取ってきた。

 藤枝さんは「何度もはえ縄漁に切り替えようかと思ったが、一本釣りを続けてきた。命懸けの漁で釣ったマグロなので味わって食べてほしい」と話した。

 大間漁協の坂三男組合長は「漁獲規制で大変なシーズンだった。最後に過去最高額が出て良かった。他の一本釣り漁師の励みにもなる」と語った。