タンク車、灯油積み150メートル無人走行 沖縄市 坂道流れ横転

©株式会社琉球新報社

 5日午後5時45分ごろ、沖縄市美里で、灯油を積んだ3トン級のタンクローリーが横転する事故があった。沖縄署や給油会社関係者などによると、タンクローリーは無人の状態で坂道の上から下へ約150メートルを走行し、民家の塀や駐車車両4台などに衝突した後、横転して停止した。運転手の40代男性は給油作業中に何らかの原因でタンクの上から転落し、膝にけがを負った。横転した直後に灯油が漏れたため、沖縄署は付近の住民に対し一時外出を控えることを求めたり、避難を呼び掛けたりした。事故による引火はなかった。同署が事故原因を詳しく調べている。

 付近の住民などによると、横転して停止した直後のタンクローリーからは白煙が上がっていたために、消防が消化剤を散布して発火を抑えていたという。タンクローリーは坂の上にある民家で灯油の給油をしていた。運転手は道路にうつぶせで倒れており、住民に「(車が)流れた」と話したという。

 事故現場は住宅街の中にあり、車の往来も多い場所だった。

◆塀も粉々 衝撃大きく 住民、不安な夜に

 中学校や保育園に近く、普段は子どもや車の往来が多い沖縄市の住宅街で5日発生した無人走行のタンクローリー横転事故。タンクローリーが通り過ぎた跡には、衝突して粉々になった民家のブロック塀やひしゃげた軽トラックなど生々しい傷跡が残り、衝撃の大きさを物語っていた。タンクローリーからは白煙が上がり、現場周辺には灯油の臭いが漂っていた。一歩間違えば大惨事につながる恐れもあった。週末の夜に外出を控えるよう警告を受け、避難を強いられた周辺住民らは不安や疲労をにじませていた。

 「バーン」「ドーン」。自宅2階で昼寝していた30代の公務員男性は、突然響く爆発音に目を覚ました。ベランダから階下を見ると、運転手とみられる男性がうつぶせに倒れ、タンクローリーが坂道を下っていた。

 公務員男性は一瞬「ひき逃げか」と思ったが、タンクローリーは住宅の塀に乗り上げ再び「バーン」という音とともに横転して停止するのを目撃した。運転手の男性に話し掛けると意識はあった。公務員男性は「子どもがひかれず、引火もしなくて良かった」と、事故当時自宅にいた小学生の子ども2人を見詰めながら安堵(あんど)した。

 タンクローリーは午後8時半までにレッカー車で移動され、現場は約3時間交通が規制された。近隣住民や給油会社関係者らは後片付けに追われた。