Aロッドは2度200億円超を獲得 MLB歴代最大FA契約の系譜 公式サイトが特集

ヤンキースなどで活躍したアレックス・ロドリゲス氏【写真:Getty Images】

Aロッドは2度にわたり10年200億円超の契約を獲得

 今オフのフリーエージェント(FA)市場では、目玉とされているブライス・ハーパー外野手(ナショナルスFA)とマニー・マチャド内野手(ドジャースFA)がどんな大型契約を勝ち取るかに注目が集まっている。ここへ来て、米国内ではマチャドの契約は総額3億ドル(約325億4400万円)に達しないとも報じられているが、一方のハーパーは総額4億ドル(約433億9200万円)に近い契約を狙っているという噂もある。

 そんな中、MLB公式サイトでは「史上に残る最大FA契約選手は?」と題した特集を展開。1975年12月にメジャーにFA制度が導入されて以来記録した歴代最大FA契約を勝ち取った10選手を紹介している。

 FA制度が導入された後、最初の大型複数年契約を記録したのは“ヒットキング”ピート・ローズだった。1978年にフィリーズと4年320万ドル(約3億4700万円)で契約。寸評によれば、ローズはこの時、ロイヤルズから石油投資権、ブレーブスから年10万ドル(約1080万円)の生涯保障、カージナルスからはバドワイザーのビール販売権、パイレーツからは繁殖用牝馬2頭などユニークなオファーが寄せられる中、当初はもっとも低いオファーだったものの地元テレビ局に“カンパ”させたフィリーズと契約したのは「フィリーズが世界一に近かったから」だという。その見込み通り、ローズは1980年にフィリーズを球団初の世界一に導いた。

 翌1979年には剛腕ノーラン・ライアンがアストロズと結んだ4年450万ドル(約4億8800万円)が歴代最大を更新。さらに1980年には殿堂外野手のデーブ・ウィンフィールドがヤンキースと10年2300万ドル(約24億9500万円)という破格の契約を結んだ。

 ウィンフィールドの契約から11年後の1991年、歴代最大記録を実質的に倍増させたのが、メッツと契約したボビー・ボニーヤだった。この時結んだ5年2900万ドル(約31億4600万円)の契約は、寸評によれば「当時北米4大スポーツの中でも最高契約」だったという。

初の100億円超えはドジャースと契約のケビン・ブラウン

 このボニーヤの契約を1年でさらに倍増させたのが、1992年のバリー・ボンズだった。この年ジャイアンツと6年4375万ドル(約47億4600万円)で契約。記事によれば、当時ボンズの代理人を務めたデニス・ギルバート氏が「最高のプレーヤーは最高の契約を得るべき」と発言。これに対し、ジャイアンツの当時のオーナーだったピーター・マゴーワン氏は「大金だが、世界にバリー・ボンズは1人しかいない」と史上最大契約を結んだという。ジャイアンツに移籍後、ボンズは5度MVPに輝き、史上最多本塁打記録を更新。マゴーワン氏の発言は「先見の明があった」としている。

 1996年に外野手アルバート・ベルがホワイトソックスと5年5500万ドル(約59億6600万円)の契約を結び、ボンズの記録を更新したが、1999年には大きな契約が2つ誕生した。1つ目は外野手のバーニー・ウイリアムズがヤンキースと結んだ7年8750万ドル(約94億9200万円)、そして2つ目が史上初大台超えの右腕ケビン・ブラウンがドジャースと結んだ7年1億500万ドル(約113億9040万円)だった。

 2000年には左腕マイク・ハンプトンがロッキーズと8年1億2100万ドル(約131億2600万円)の契約を結ぶが、その6週間後に球界を揺るがす大型契約が飛び出す。それがアレックス・ロドリゲスがレンジャーズと結んだ10年2億5200万ドル(約273億3700万円)という超破格の契約だった。記事によれば、これはプロスポーツ史上最大の契約だったが、2008年にはヤンキースと10年2億7500万円(約298億3200万円)の長期契約を結んで自身の記録を更新した。ローズから30年後、最大契約は約20倍にまで膨れあがっていた。

 2014年にはジャンカルロ・スタントン(現ヤンキース)がマーリンズと13年3億2500万ドル(約352億5600万円)という巨大な契約延長を行ったが、FA契約に関して言えば、10年以上にわたりAロッドの記録は破られていない。はたしてハーパーは新記録を樹立することになるのだろうか。興味は尽きないところだ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2