生まれた赤ちゃんが低出生体重児。育児のポイントを助産師が解説します!

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正期産で低出生体重児(体重2,500g未満で生まれた赤ちゃん)が生まれた場合、どんなところに気を付けたら良いのでしょうか。助産師の高杉さんに解説していただきました。

近年増えている2,500g未満で生まれる低出生体重児。早産などで新生児治療を要することもあれば、37週以降の正期産に生まれて治療もなくママと一緒に退院する赤ちゃんもいます。赤ちゃんが低出世体重児で生まれた場合、ママやパパや赤ちゃんの育て方は他の赤ちゃんと同じでいいのかな? など、さまざまな不安があると思います。今回は正期産で小さく生まれた赤ちゃんの気をつけることや育児でのポイントなどを、授乳のことを中心にお話しします。

低出生体重児とは

低出生体重児とは体重2,500g未満で生まれた赤ちゃんのことです。妊娠37週未満で生まれた早産児や37週以降に生まれた正期産児もいます。早産児の場合は、生まれた大きさや週数によって未熟性が異なるため、赤ちゃん一人ひとりに応じた治療やケアが必要になってきます。そのため、新生児集中治療室(NICU)などでの入院が必要になることがあります。

正期産で生まれた低出生体重児の特徴

正期産で生まれた低出生体重児は、生まれてすぐは低血糖になりやすかったり、呼吸が安定しにくかったり、低体温になりやすかったりはするものの、大きな治療を受けることなくママと一緒に産科で過ごし、一緒に退院することも多いです。ただ、小さく生まれた赤ちゃんは眠りがちで哺乳がうまく進まないということがあります。小さく生まれた赤ちゃんは、大きく生まれた赤ちゃんに比べて使えるエネルギーが少ないとイメージしてもらえばわかりやすいと思います。そのため、授乳の時間がきても眠りがちでなかなか飲んでくれなかったり、哺乳に時間がかかったり、おっぱいを飲むのが少し不得意ということがあります。また、皮下脂肪も少ないため体温調節が未熟で低体温にもなりやすいです。

低出生体重児の育児のポイント~授乳~

小さく生まれた赤ちゃんのお世話で重要になってくるのが授乳です。

先に述べたように、小さく生まれた赤ちゃんは眠りがちです。入院中に助産師さんたちに「3時間ごとに起こして授乳しましょう」と言われるママも多いでしょう。ですが、お腹が空いたら泣いてお知らせしてくれる、というのは当たり前ではなくて、小さく生まれた赤ちゃんはあまり泣かないことも多いのです。しかし、泣かないからお腹が空いていないのだなと待っていては授乳間隔が毎回4~5時間空いてしまうこともあります。そうなると1日の哺乳量が減ってしまい、赤ちゃんはなかなか大きくなれません。

そこで新生児のうちは眠っている最中でも、3~4時間ごとにおむつを見てみたり、抱き上げてみたりして、赤ちゃんを起こしましょう。なかなか赤ちゃんが起きないときは優しく足をマッサージすると起きることもあります。小さな赤ちゃんは1回の授乳でたくさんの量を飲めないので、1回の哺乳量が少ない分、なるべく回数をあげられるといいですね。

また、最初は吸う力が弱く、お口が小さいことからおっぱいを上手に飲めない赤ちゃんもいます。おっぱいはママと赤ちゃんの大切なスキンシップの時間でもあるので上手に吸えなくてもおっぱいを含ませてあげましょう。きっとママも幸せな気持ちになり、赤ちゃんもママの温かさや心臓の鼓動を聞いてお腹にいた頃を思い出して安心するでしょう。

ただ、長い時間だと疲れて眠ってしまうのでおっぱいの時間は短時間にして、その後、搾乳をした母乳やミルクを哺乳瓶で飲ませるといいでしょう。哺乳瓶の乳首もいろいろな種類がありますが、赤ちゃんによって飲みやすさが違うので入院中に色々試して、助産師さんたちと相談できるといいですね。また、哺乳ビンで飲むときは空気も一緒に飲みこみやすいので、哺乳途中に何度か排気(ゲップ)をさせながら授乳してあげると赤ちゃんも楽にたくさん飲めます。

もちろん体重が増えてくれば、おっぱいも上手に飲めるようなってきますし、起こしてあげなくてもしっかり泣いてお知らせしてくれるようになるので、そうなると授乳間隔は少し空いてきても大丈夫かもしれません。

低出生体重児の育児のポイント~日常生活~

日常生活において、小さく生まれた赤ちゃんのために気を付けてほしいことは体温調整など環境を整えてあげることです。

小さく生まれた赤ちゃんは体温調節が未熟で、手足の先が冷えやすくなります。赤ちゃんは新陳代謝が活発なので、たくさん洋服を着せる必要はありませんが、冷たくならないようにかけものや空調でお部屋の環境を調節してあげましょう。

また、黄疸が出やすい赤ちゃんもいます。日当たりの良いところに赤ちゃんを寝かせてあげると、黄疸も出にくく、ぽかぽかで過ごしやすいですね。ただ、夏の日差しの強い時期は直射日光が当たらないようにカーテンをしましょう。冬の寒い時期であれば、窓際は寒いので気をつけてあげましょう。

まとめ

小さく生まれた赤ちゃんを心配に思うママやパパの気持ちはとてもよくわかります。正期産で小さく生まれた赤ちゃんは機能的には成熟していることも多く、今回お話しした授乳や日常生活における育児のポイントをおさえてあげれば大丈夫なことも多いです。ただ、赤ちゃんそれぞれの特徴もあるので、入院中に助産師さんたちに生まれた赤ちゃんの育児のポイントや注意点を聞いておきましょう。もちろん、不安なときやいつもと違う様子があるときは受診することや、きちんと病院や行政での定期健診を受けることも大切です。

小さく生まれた赤ちゃんは哺乳の時間がかかったり、夜間も起こしてあげて授乳したりとママも手をかけることが多くなると思います。それも個性の一つだと思って、「手のかかる赤ちゃん」ではなく手をかけて欲しい「甘えん坊の赤ちゃん」と思ってあげたらいかがでしょうか。色々してあげたくてもすぐに大きくなります。思う存分に手をかけてあげられるのは今のうちだけかもしれませんね。


監修者・著者:助産師 高杉絵理

大分県の大学にて看護師・助産師・保健師の資格を取得後、総合周産期母子医療センターにて産科やNICUに勤務。結婚を機に上京してからは、もっと育児が楽しくなるようにママや赤ちゃんにいつも身近に寄りそっていたいとの思いより、地域での助産師活動を開始する。 現在は、世田谷区の行政や病院で働きながら、開業助産師として地域での講座やイベントを開催し子育て支援活動を幅広く行っている。また、ベビーカレンダーにおいても、妊娠・出産・育児を楽しめるように、ママたちが読みやすく分かりやすい記事を心がけ執筆中。