胆振で広がる高齢者雇用

やる気、人柄など重視

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職場でのシニアの活躍ぶり、人材としての期待を紹介したアクティブシニア・カフェ

 慢性的な人手不足が深刻化する中、60代以上を貴重な働き手として雇用する動きが広がっている。雇う側にも「若手人材の代わり」という意識から「経験豊富な即戦力」と活躍に期待する業界もあり、年齢に関係なく働けるバリアフリー職場が増えつつある。

 「年齢や経験、資格は関係ない。やる気と人柄さえあれば十分です」。社会福祉法人の採用担当者はきっぱり言い切った。昨年12月中旬に室蘭市内で開かれた、60歳以上を対象にした仕事体験説明会「アクティブシニア・カフェ」。室蘭や登別の50~60代以上の男女約10人が参加した。

 全国で高齢化が加速するのに伴い、20~64歳の現役世代は減少傾向にある。全業種で働き手が不足し、人材確保が企業側の重要な経営課題となる中、現役を退いた65歳以上の高齢者の雇用に力を入れる企業が増え始めている。

 2017年末の総人口に占める65歳以上の高齢化率が36・5%に達した室蘭市。17年度に登別、伊達両市とともに厚生労働省の委託事業「北海道アクティブシニア就労・社会参加応援事業」のモデル地域に選ばれた。定年退職後も元気に働く意欲のある高齢者の雇用促進や社会参加を支援する取り組みだ。

 18年度2度目のアクティブシニア・カフェでは、実際にシニア世代を雇用する企業が就労状況を紹介した。障害者グループホームを運営する市内の社会福祉法人は、グループホームで主に利用者の食事など身の回りを世話するスタッフに60歳以上のシニアを採用。担当者は「利用者にとって施設は家。家族のように接していただき、働きながらも楽しんでほしい」と経験や資格ではなく、思いやりや人柄を重視している点を強調した。

 カフェに参加した登別市在住の50代男性は「以前は福祉関係に勤めていましたが、体調を崩し、今はアルバイト。体調が戻ったらフルタイムに復帰できればと思っているが、働き方の選択肢が広がっており、少し安心しました」と話していた。

 開催したアクティブシニアサポートセンター室蘭の前澤佐土史センター長は「月に数回という事業所もあれば、常勤で働いてほしいなど企業のニーズはさまざま。無理なく働くことで心身ともに健康の維持にもつながる側面がある。就労先と相談しながら、自身の体力、生活に合わせて経験や能力を発揮してほしい」と無理なく働く生きがいづくりを提案している。
(菅原啓)