「フェイク」過去にも 安倍政権、基地関連で印象操作

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 沖縄の基地問題に関して安倍政権幹部からは「フェイクニュース」と取れる間違った情報や誤解を与える可能性のある発言が度々発出されてきた。菅義偉官房長官は昨年の国会で、米軍普天間飛行場返還合意のきっかけについて、少女乱暴事件ではなく、あくまで「事故」があったと繰り返した。さらに別の会見では基地負担軽減について過大な表現との印象を与えかねない表現もあった。

 菅氏は昨年11月15日の参院内閣委員会で、普天間飛行場返還の日米合意に至る経緯について「22年前(1996年)に事故があり、県内移設が合意された」と述べた。実際は95年の少女乱暴事件をきっかけに両政府の間で日米特別行動委員会(SACO)が設置され、返還協議が始まった。

 質問した木戸口英司議員が「事件だ。逆に普天間の危険のすり替えに聞こえる」と事件と事故の違いをただしたにもかかわらず「事件もあったが、それ以前に事故があったことも事実ではないか」と、発言を修正することなく反論を続けた。その後、記者会見で事故なら何の事故かと問われても詳細は答えず、事故があったと繰り返した。

 同じ参院の内閣委で菅氏は辺野古移設について県と名護市が合意したとも述べ、辺野古新基地建設推進の地元合意を強調した。だが当時の県の受け入れ条件は軍民共用と15年使用期限だったが、2006年の閣議決定でこれらの条件は破棄された。合意の前提が崩れたことには言及しないまま、地元合意だけを強調した。

 さらに菅氏は昨年1月19日の会見で、沖縄の基地負担軽減への取り組みについて「嘉手納以南の基地も7割返還されるめどをつけている」と述べ、大幅に沖縄にある基地が削減される印象を与えるような発言をした。だが実際は、返還合意された基地の多くが県内移設が条件で、返還された分がそのまま沖縄からなくなるわけではないという側面については言及しなかった。