留学生の育成、就職へ連携 長崎短大と福医会 外国人介護人材受け入れ

新年度からプロジェクト ケアの質向上目指す

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 長崎短大(佐世保市)と社会福祉法人福医会(西海市)は、日本の介護現場で働きたい留学生を受け入れ、育成から就職まで連携して取り組むプロジェクトを新年度から始める準備を進めている。高等教育機関と高齢者施設が、外国人介護福祉士の「入り口」から「出口」まで連携する取り組みは全国でも少ない。人手不足の解消だけではなく、地域の介護のレベル向上にもつなげる考えだ。
 受け入れるのは、フィリピンの介護士資格を持ち、長崎短大が包括連携協定を結ぶフィリピンの大学で日本語を半年以上学んだ学生。長崎短大の介護福祉士を養成する課程(2年間)に入学する。福医会は奨学金を貸与。卒業後は福医会が運営する特別養護老人ホームやデイケアなどで採用する。
 福医会は佐世保市などの施設と人材の“取り合い”に頭を悩ませていた。外国人材に関心はあったが、2年前に介護職種が追加された技能実習制度の活用には慎重だった。
 プロジェクトは、在学中からアルバイトとして受け入れる。一定年数勤務すると奨学金の返済を免除する仕組みも計画。福医会の徳永翔常務常任理事は「時間をかけて教えられる。覚えたころに帰国の時期を迎え、失踪のリスクもある実習制度とは全く違う。ほかと違うことをしないと生き残れない」と話す。
 長崎短大は、福医会のような地域の介護施設のニーズに応える狙い。全国的に介護福祉士の養成校の定員割れは深刻で、同短大も2015年度以降、介護福祉専攻(20人)の定員割れが続いている。
 岡崎寛事務局長は「県内では募集を止める学校もあるが、資格を持つ人を地域に送るのは私たちの務めだ」と強調。「18歳人口の減少に伴う入学者減を見据えた挑戦」と力を込める。ただ、地元の高齢者施設には外国人とのコミュニケーションに対する不安も根強く、日本語の授業の補講や方言の指導など語学力を伸ばすカリキュラムに取り組む。
 “第一号”の留学生は20代と30代の女性2人の予定。フィリピンで1月に面接や日本語の筆記試験を受ける。徳永常務常任理事は「日本人職員の働き方も変えるきっかけにして、ケアの質を上げたい」と抱負。岡崎事務局長は「しっかりと育てて外国人材の信用度を上げ、長崎モデルとして確立したい」とした。