【平成の長崎】壱岐「一支国博物館」が開館 県埋蔵文化財センター併設

平成22(2010)年

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 中国の史書、魏志倭人伝に記された「一支国(いきこく)」の王都とされる壱岐市の国指定特別史跡、原の辻遺跡の出土品をはじめ弥生時代、古墳時代などの豊富な歴史史料を一堂に展示する「市立一支国博物館」と併設の調査研究機関「県埋蔵文化財センター」が3月14日、オープンした。

 長崎県、壱岐市の施設が一体となった建物は地下1階、地上4階建てで延べ床面積は7800平方メートル。総事業費は約39億円。博物館には国の重要文化財「亀形飾金具」など約2千点を常設展示。センターの収蔵品約千点も見学できる。古代人の人形を配したジオラマや一部の出土品に触ることもできる。

 記念式典には約300人が出席。中村法道知事や金子原二郎前知事、白川博一市長が建設碑を除幕。中村知事は「日本に誇れる素晴らしい財産。国内外に発信してほしい」とあいさつ。須藤正人館長は「見るだけでなく触って親しめる展示手法を取った」と述べた。中村知事、白川市長ら11人がテープカットした。

 館内は大勢の市民や考古学ファンでにぎわい、古代人の生活に思いをはせた。式典に出席した「耶馬大国五文字の謎」の著者、角田彰男さん(63)=埼玉県在住=は「大変分かりやすい展示。人形の表情も生き生きしていて面白い。船の展示も圧巻だった」と感動していた。

 式典に先立ち、県立壱岐高吹奏楽部と市内の3グループが「原の辻賛歌」をコーラス演奏。壱岐市出身のオペラ歌手、市山恵一さんも「時空をこえた愛」を独唱して開館に花を添えた。

 6月20日まで開館記念展「『魏志』倭人伝の国々に残る至宝展」を開催中。

 原の辻遺跡では「原の辻一支国王都復元公園」(愛称・一支国王都公園)の開園式も14日あり、弥生時代の高床式住居など17棟の復元建物の公開が始まった。(平成22年3月15日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

人形による弥生時代の生活の様子に見入る大勢の来館者=壱岐市立一支国博物館