降格は「屈辱」 優勝へ失点ゼロに ロアッソ織田秀和GMに聞く

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「J3で優勝するためには失点は許されない」と語る織田秀和GM=アスリートクラブ熊本

 2008年のJ2参入以降、目標のJ1昇格を果たせないままJ3降格となったロアッソ熊本。AC熊本の織田秀和GMに18年シーズンの総括と19年の展望を聞いた。(佐藤公亮)

 -昨年はJ2の42試合で9勝7分け26敗と苦しみ、22チーム中21位に終わりました。

 織田 ふがいない。サポーターやスポンサーの期待を裏切る結果になって申し訳ない。要因はリーグワーストの79失点。守りが非常に厳しい状況だった。リーグ最後の5試合で戦い方を変え、勝ち星を取れた。もう少し早く戦術を変えるべきだった。

 -序盤は好スタートを切りました。

 織田 様子見した相手にとって、細かいパスで攻撃を組み立てるロアッソのビルドアップ型戦術は戸惑いを与えた。ただ、試合が続けば研究され、ミスからボールを奪われて失点し続けた。

 -戦力強化の担当として、立て直しを図る指示をしましたか。

 織田 渋谷洋樹監督とは常にコミュニケーションを取り、守備を改善させようとした。でも戦術の落とし込みが不十分だった。シーズン前の練習は攻撃中心で、J1で通用するレベルを目指した。結果論だが、守備にも力を入れるべきだった。

 -シーズン途中の補強もありました。

 織田 成功か失敗かと言われれば失敗だ。しかし、補強選手がかみ合わなかったとは思っていない。J1レベルの質の高さは見せてくれた。

 -18年にGMに就任しました。

 織田 私のロアッソ入りが決まった時点で、チームの骨格はある程度固まっていた。そこで力量を観察し、今後のチーム編成につなげるというのが自分の考えだった。顔触れやキャリアを見れば「J3に落ちることはない」と高をくくっていた部分はある。見通しに甘さがあった。

 -今季は不退転の決意で臨むのですね。

 織田 そういうことだ。

 -今後の編成のポイントは。

 織田 自分たちで戦力となる選手を育てたい。高校、大学の新卒を獲得したり、アカデミー(ユース)から引き上げたりしつつ、足りない部分を移籍組で補う。財力に乏しい地方のチームはそうするしかない。

 -現在のスカウティングの基本線は何ですか。

 織田 ロアッソのために力を尽くす人材を選ぶ。ただ、熊本をついのすみかにしては駄目。ここを足場にビッグクラブを目指す意

 -現時点での補強をどう評価します。

 織田 選手には「1年でJ2に復帰するだけでなくJ1を目指す。そういうチームの礎をつくりたい」と訴えた。取りたい選手をそろえることはできた。J3で優勝するための戦力は整いつつある。

 -攻撃を支えた3選手がチームを去りました。

 織田 心配はしていない。得点感覚のある原一樹と空中戦に強い三島康平、スピードのある田村翔太が加わる。むしろ、3人に依存した点が問題だった。攻撃のバリエーションを増やしたい。

 -今年のサッカーは変化しますか。

 織田 横パスをつなぐだけでなく、主導権を握るサッカーを目指す。昨年までの攻撃を磨き上げ、守備は中盤も含めて相手を厳しく抑え込む意識を植え付ける。今年のJ3は34試合で、J2昇格ライン(18チーム中上位2チーム)は勝率8割の勝ち点70。優勝するため失点をゼロにする。だからこそ、はいつくばって泥水をすする覚悟がいる。スタッフ全員が降格を「屈辱」と胸に刻み、再起を図るしかない。

(2019年1月8日付 熊本日日新聞朝刊掲載)