“教育ITソリューションEXPO”に行ってみた(後編)【STEMとか言われましても。〜プログラミング教育・漫画レポート〜】

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こんにちは。京都在住も4年目、イラストレーター+漫画家のしばざきとしえです。「思春期っ子はみんなバカ!」(ぶんか社)など、子育てをテーマにしたコミックエッセイ著書が何冊かあります。ここでは母親の立場から見た「プログラミング教育って何?」という素朴な疑問をテーマに、漫画レポートを描いていきます。今回は前回に続き、「”教育ITソリューションEXPO”に行ってみた」の後編です。

“教育ITソリューションEXPO”に行ってみた(前編):STEMとか言われましても。—プログラミング教育・漫画レポート— - VaLEd.press(バレッドプレス)

embot

女の子も喜びそうなこんなのを見つけました。

NTTドコモの「embot」です。ダンボール製のプログラミングキット! ボクトツとした見た目がかわいいです。「embot」は、組み立て用ダンボールが3枚1組、embotコア、サーボモーター2個、LEDライト2個、ブザー1個、簡易マニュアルのセット一式でお値段4,800円。

子ども向けのワークショップでは、一台を二人で使用して学習しているそうですが、実際にロボットが動くという実感は得難いもののよう。ダンボール製なので簡単につくれるし、身近な素材なので親しみやすい。子どもたちは紐や手芸モールで飾ったり色を塗ったりして、自由にカスタマイズするそうです。慣れてくると、お互いにembotをハッキングし合う遊びなんかもはじめるとか。

プログラミングは、タブレットやスマホで行います。アイコンやブロック図を動かすビジュアルプログラミングで、直感的な操作が可能。embotで学ぶ利点について、さらに突っ込んで聞いてみました。

あまり凹まないというのは、そんなことよりも楽しさや好奇心が勝るからなのでしょう。他の勉強の場では失敗が許されないような空気がある中、どんどん失敗できるというのはいい体験ですよね。「子どもの発想は大人の予測を超えています!」という力強いお言葉も聞きました。似たようなことを他のブースでも聞いたので、子どもが秘めている力や可能性は侮れないなぁと、ちょっと嫉妬心すら抱きました……。

キッズプログラマーズのスターターキットと銘打っているだけあって、対象年齢は6歳から。ダンボール部分はいずれ傷むでしょうが、そんなときは手持ちの素材でカスタマイズすればOK。価格を抑えるメリットもありますし、プログラミング学習の入り口として、ダンボール製はいいかも! と思いました。

キューブロイド

続いて立ち寄ったブースでは、韓国発のプログラミング教材に出会いました。

ヤベツジャパンの「キューブロイド」です。写真のセットで36,000円とのこと。動く電子ブロックってなに?……と思いましたが、ブロック同士がワイヤレスで通信し合うため、配線が要らない仕組みなのだとか。この仕組みで特許も取得しているそうです。センサーやモーターなどさまざまな機能をもつブロックは、バッテリーが内蔵され、ブロックの組み合わせとプログラミング次第で、思い通りに動くロボットがつくれるわけです。

こちらも独自開発されたキューブロイドコーディングアプリにより、子どもでも簡単にプログラミングが行える……だけでなく、もっといろいろなプログラミングに挑戦したくなったら、Scratch(スクラッチ)とも連動可能とのこと。さすがSTEM教育では一歩先んじている韓国、先のことまで考え抜かれているかんじ。プログラミング教育を受けた韓国の子どもたちに、それ以前と比べて変化のようなものはあったのか聞いてみました。

韓国では2015年の教育課程改訂以降、プログラミング教育が推進されており、来年2019年より必修化とのこと。こちら「キューブロイド」はクラウドファウンディングで目標金額の700%の支援を集めたそうで、ICTを使った教育への熱気を感じました。

micro:bit(マイクロビット)

最後に、駆け込むようにして見たのはこちら。

イギリスのBBCがプログラミング教育用マイコンボードとして開発した「micro:bit」です。小さなプリント基板に、動作をプログラミングできるLEDが25個、ボタンスイッチ2個、加速度センサーと磁力センサーが各1個、無線通信機能が搭載。こちらは税込で2160円、スイッチエデュケーションほか、電器店やamazonでも購入可能です。

私の目にはまるっきりの基板……と映りますが、基板を見慣れている人は「かわいい」と感じるらしいです。いや、シンプルなキットこそ応用がきくし、想像力を刺激するのでしょう。

こちらのmicro:bit、イギリスでは2016年に7年生(11歳〜12歳)の子ども全員(約100万人)に無償で配布済みとのことです。今では世界の40か国以上に普及しているとか。

日本では2018年夏から販売がスタートしたところですが、2020年までに30万人の子どもに行き渡ることを目指しているようです。ちなみに、2160円と大変安価なのはマイクロビット財団のおかげみたいですよ。

帰宅後、世界の子どもたちは一体どういうふうにマイクロビットを使っているのだろうかと、公式サイトでmicro:bitの使用例動画を眺めてみました。

これは、ハワイの男の子が、自分が投げる野球ボールの球速を測りたい一心でつくった、球速計測器。

プログラミング教育が浸透してくると、日頃困っていることがあっても市販品の購入ではなしに、「自分のガレージで」解決するようになるんですね。なんだかクール。

STEM教育に対する日本と海外の”差”

イギリスやアメリカだけではありません。“タイ政府がプログラミングキット「 」を2019年度から段階的に教育現場で採用すると発表”というニュース。KidBrightの採用を最終的には100万枚目指す、とのこと。ちなみにKidBightはmicro:bitに似た教育用マイコンボードのようですね。アジア圏でもプログラミング教育への期待が高まっていることを痛感します。

友人にあらぬアドバイスを求められ、しぶしぶ大阪で開催された”教育ITソリューションEXPO”を覗いてみただけの私ですが、日本でも「2020年からプログラミング教育が必須となる」というのは当然だし必然なのだな…ということをひしひしと感じました。世界の中で遅れているのかいないのかはよくわかりませんが、必修化が決まったということには、安堵も覚えます。一方で教育現場は大丈夫なのだろうかという一抹の不安も……。

とりあえず、女の子も歓迎してくれそうな「embot」を友人のA美に勧めてみようと思います。