金属行人(1月9日付)

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 新年賀詞交換会が各地で開催されている。その壇上挨拶で話される今年の見通しを聞くと、景気は堅調に推移しそうだが、先行き不透明なところもあるという。不安要素の最たるものは米中貿易摩擦の行方だろう。複雑な要素が絡みながら、どうなるか予想がつかない。対立が激化すれば、世界経済低迷のきっかけにもなりかねない▼さて、鉄鋼マーケットは新年早々、中国・宝山鋼鉄が国内販売価格を発表。2月分は据え置いたが、3月は値上げとした。値上げ幅は日本円で1千円にも満たない額だが、「コストとかそういう問題ではなく、『もう値下げしないぞ』というメッセージ」(関係筋)とみられている。中国市場は下げ始めると歯止めがかからなくなる恐れもあり、最大手メーカーとして鉄鋼相場の不安定化を何としても避ける。そんな意思を感じさせるオファーだった▼ただ、マーケットがささいなことで混乱しかねないという意味の裏返しでもある。米中貿易摩擦だけでなく、国際情勢が不安さを抱える現状、ちょっとしたことが火種になりかねない▼今年は亥年。「猪突猛進」を連想するが、やみくもに進んでいくだけでは危うい。変化が求められる時代だが、同時に慎重さも求められそうだ。