【憧れの食】パリの蕎麦と幻の日本酒|たったひとつを叶える旅<34>

旅の目的は「たったひとつ」で良い

旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。

あれもこれもと盛りだくさんは、大人には野暮というもの。情報が氾濫している現代だからこそ、余計なものは削ぎ落として、自分の「たったひとつ」を選び取るのが粋。旅の荷物はシンプルに、期待だけを詰めて。

私たちがまだ訪れたことのない、未知の場所や絶景。

笑顔で迎えてくれる、あたたかい地元のひと。

生産地ならではの、新鮮で美味しいもの。

珠玉のように散らばる日本各地の魅力を発信する「ONESTORY(ワンストーリー)」。「ONE=1ヵ所」を求めて日本を旅するメディアから、私たちの「たったひとつ」が見つかりそうです。

憧れの食

2019年になりました。新しい年には、新しい旅に出たいですね。

和食の良さには季節感がありますね。大人になったら、上質の「憧れの食」に巡り合う旅が似合います。今年は「その土地」の「その時期」でなければ味わえない、「憧れの食」を求めて旅立ちませんか。新年から旅の予定を立てたなら、季節が巡ってくるのが楽しみになるものです。

貴腐ワインを連想させる日本酒

パリにある人気蕎麦店円・YEN店主 櫻井克樹氏

秋田の老舗酒蔵「秋田酒類製造」が生み出した「加温熟成解脱酒」は、蔵が編み出したという独自の加温熟成技術により、半年の熟成で10年古酒のような色と香りを放つ酒に。金色に輝く酒の味わいは、フレッシュで喉ごしすっきり。日本ではほとんど流通していない幻の日本酒にも関わらず、アラン・デュカスグループのソムリエが非常に気に入り、店での取り扱いを申し込んだそうです。

パリで手打ち蕎麦の名店「円・YEN」を率いる店主の櫻井克樹氏がテイスティング。「ソーテルヌの貴腐ワインのような印象もありますし、これ本当にお米で作っているんですよね?うちに置いている日本酒とは全然違うし、食中でもずっといける、チーズもいける。デザートワインとして食後にデザートと一緒に出してもいい。ものすごくフルーティな印象もありますね」との感想を。

貴腐ワインのような日本酒と合うメニューを、櫻井克樹氏に3品考えてもらいました。さて、どんなメニューが合うのでしょうか。

「秋田酒類製造」 加温熟成解脱酒

http://www.takashimizu.co.jp/products/html/ginjoh/211400980.html

ジロール茸をソテーした冷たい蕎麦

1品目は、ジロール茸をソテーした冷たい蕎麦。

ジロール茸はアンズ茸とも呼ばれ、杏のような香りがするオレンジがかった黄色の小さなキノコ。日本での知名度は低いですが、フランス料理には欠かせないきのこで、三大キノコの一つとして重宝されています。夏から秋にかけて出回り、甘い香りとコショウのようなピリッとした味が人気。

セップ茸の天ぷら

2品目は、セップ茸の天ぷら。

セップ茸は、フランス語でポルチーニのこと。日本でいえば松茸並みの、高級きのこです。高級きのこの天ぷらは、塩で頂いて。

フォアグラの茶碗蒸し

フォアグラの茶碗蒸し

加温熟成解脱酒とフォアグラは、甘さとコクの相乗効果を引き出す組み合わせ。茶碗蒸しの下には、トランペット茸が敷き詰められています。トランペット茸は、トランペットのような形のヨーロッパでは人気の高いきのこ。

3品ともきのこが使われたメニューですが、貴腐ワインのようだという日本酒を冷やしたものとピッタリだったそうです。

今回のたったひとつは、日本よりも先にパリで評価されたワインのような日本酒と、パリの本格手打ち蕎麦の名店のペアリング。蕎麦も日本酒も日本発なのに、パリで出会った憧れの食。私たちが旅へ向かわずにいられないのは、日常で求められない「たったひとつ」に出逢うためなのです。

■もっと知りたくなったら

ONESTORY(ワンストーリー)

パリきっての本格手打ち蕎麦の名店も、あの解脱酒に唸った![加温熟成解脱酒/秋田県秋田市]

秋田酒類製造株式会社

住所:〒010-0934 秋田県秋田市川元むつみ町4-12

電話:018-864-7331

http://www.takashimizu.co.jp/

円・YEN

住所:22, rue Saint Benoît 75006 PARIS

Tel: 01-45-44-11-18

http://www.yen-paris.fr/index.html

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