下剋上続出!日本代表が対戦するトルクメニスタン代表の危険度を探る

アジアカップが始まり僅か数日で強豪国が敗れる事態が相次いでいる。開催国UAEが白星発進を逃し、インドがタイを下すなど戦前の状況とは違った状態が続いているのだ。

我らが日本代表は、9日にグループリーグの初戦を迎える。相手はトルクメニスタン、2018年12月のFIFAランクでは127位と日本の50位に比べるとかなり格下に見える。恐れるべき要素はあるのだろうか?

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トルクメニスタンってどこ?どんな国?

トルクメニスタンは中央アジアに属する国で、旧ソ連から独立した国である。そのためにかつてはキリル文字を使っていたこともあるが、現在はラテン文字による表記が進んでいる。公用語のトルクメン語全体の読み方としてはトルコ語に近い。しかし、実際の発音ではトルコと同じ単語でもトルコ人が聞き取るのは難しいという。

首都アシガバードは白い大理石の建物が多く、綺麗な街並みが広がっているという。

国内で有名なスポットがダヴァルザにある通称“地獄の門”である。これは、落盤事故が起きてできたクレーターに有毒ガスが立ち込めていたことから火を放ちそれを解決しようとしたところ、それから何十年も燃え続けているというものだ。まるでRPGのボスがいそうな世界がそこには広がっている。

ルスラン・ミンガゾフに注意!!

要注意な選手はMFのルスラン・ミンガゾフだ。父カミルもサッカー選手で1992年から2004年までトルクメニスタン代表でプレーした。息子であるルスランはその後を追うように2009年からトルクメニスタン代表でプレーする。

ラトビアのスコント・リガ、チェコのヤブロネツなどを経て現在は名門スラヴィア・プラハでプレーする。ラトビア時代にバルティック・インターナショナル・アカデミー(日本でいう私立大学に相当)で勉強をしていた文武両道な選手でもある。

上記は、スラヴィラ・プラハ公式チャンネルによる選手紹介動画。いわゆる俊敏で技術力がありパスやドリブルを出していける選手だ。

日本代表との試合に対しては「最後の試合だと思って戦う」と意気込みを感じる。

若手選手のエントリーが目立つ23名

ミンガゾフ以外のメンバーはどうだろうか。アジアカップ選出の23名だが、4名はこれまで0cap、10名は10cap未満と経験は少ない。これはトルクメニスタンの代表チームが試合数に恵まれていないこともあるが、20台中盤のメンバーが多いとはいえ決して国際舞台での経験が豊富とは言えない。

ただし、国内リーグのアルトゥン・アスルに所属するメンバーが多い事は注意だ。監督のヤズグル・ホヤゲルドゥエフは2014年から2018年まで同チームを率いリーグ3連覇を達成している。つまりは監督の教え子でチームは構成されておりチームの連携は決して低くない。

2015年には2018年のロシアW杯アジア2次予選でイランに引き分け、オマーンに勝利したがその時のメンバーが少数ながら今も残っている。

ぶっちゃけトルクメニスタン代表は要注意なのか

トルクメニスタンにとってアジアカップは2004年以来、2度目となる。前回の出場時はグループリーグ3位(1分2敗)で大会を去っている。

2019年大会の今回は久々の本大会出場となる。当然、優勝を狙う日本代表は大量得点で勝たなければならない相手だと言えるだろう。

筆者がいくつかの試合をみたところ、トルクメニスタン代表は弱点が2つあると感じた。1つ目はセットプレーの対応で、単純な高さに競り負けているほかゴールキーパーの守備範囲も狭く、単純な守備のマーキングがかなり緩いと感じた。実際に2016年以降のゲームで0失点に終わった試合は昨年12月25日に行われたアフガニスタン戦の2-0だけで後は全て失点をしている。守備面で固いチームではない。

また、攻撃面でも課題は多い。中央アジアのチームということもあり戦術的にはヨーロッパに近く縦へ早くといった意識はあるのだろうが、カウンターなどで低い位置からドリブルでかけあがり持っていこうとする意識が高い。高速ドリブルで相手を数人抜き縦パス…という展開になればよいのだが、それ以前にドリブルの段階で低い位置でボールを取られてしまうという場面が散見された。これではスタミナを消耗するばかりで守ってばかりという展開にもなりかねない。

日本代表にとって初戦ということもあり固さはあるだろうが大量得点での勝利を期待したい。

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