ジュニアジャズ バレエ取り入れ軽快ダンス 豊かな表現力育む

12月中旬、マンハッタン区ミッドタウンにあるスタジオでバレエの動きを取り入れた「ジュニアジャズ」のダンス教室。家族の前での演技発表を翌週に控え、10歳前後の女の子9人がレッスンに励んでいた。バレエを並行して習っている子も多く、プリエやつま先立ち、ターンを軽やかにこなす。

バレエの要素を取り入れた「ジュニアジャズ」のクラス。友谷さんが全体を見て助言する

「ターンアウトー、はいラスト!」とよく通る声で指導するのは友谷真実先生。軽快なポップミュージックに合わせて子供たちが踊る。まずは肩慣らしでつま先立ちなど基本動作を確かめながら、徐々に動きが大きくなり、子供たちは時に飛び跳ね、時にゆっくりしなやかに腕を伸ばし、緩急をつけて華麗に舞う。「9月から覚えた振り付けです。みんな上手でしょ」と友谷さんが太鼓判を押す。

メンバーは10歳前後の女の子9人

「次、レディー・ガガさん行きましょう」と「Porker Face」の曲が流れると、子供たちはリズムに乗ってつま先を頭より高く振り上げたり、くるくると回ったり。数分ごとに曲を変え、それぞれの曲調に沿って踊り続ける。その間、友谷さんは全体を見回しながら、「できてるから! 軸足、動かないようにしよう」とか、ターンを戸惑う子には「考えない。やっちゃう。その方ができる」「考え過ぎちゃいけない。ダンスってそういうもんよ」と分かりやすい言葉で端的に伝え、表現力を高め、引き出していく。

1時間のレッスンの最後10分ほどで、翌週発表する「ドレミの歌」に合わせた振り付けの最終確認。スタジオを目一杯使って全身で表現する。9人が3人ずつチームに分かれ、組体操をしたり、互いのチームが交差したりと一体的なダンスを披露。3分ほどで曲が終わると、友谷さんはねぎらいつつも、「今は(チームが)別個に動いてる。踊ってる人のエネルギーもらって。エネルギーを交換し合おう」とアドバイスする。

友谷真実さん バレエはテクニックに加え、表現力も重要なポイントです。舞台のどこで踊るかといった空間認識力など実践的な指導も行います。1月から新たな期が始まり、6月の発表会に向けて練習していきます。2、3月からの参加も歓迎です。この教室の他に、より入門者向けのキッズジャズと、コンテンポラリーの3クラスを担当しています。ぜひご参加ください。

気付けば上着のジャージを腰に巻き、指導にも熱が入る。最後に再び通しで稽古。「華やかにー」「スマイルー」「ワクワクしてー」と友谷さんが言葉と自らの表情で感覚に訴える。踊り終わると「オーケー! グー、グー、グー(Good)! これなら拍手できるね」と満足そう。

バレエを始めて5年の小学4年、神谷里咲(りさ)さんは「先生は動きをいろんな言い方で教えてくれるから分かりやすいです。ターンアウトが難しいので頑張りたい」と意気込む。小学5年の高畠菜央さんはバレエ歴約8年で、「バレエの先生になりたいです。この教室はジャズでノリノリで、コンビネーションがすごく楽しい」と屈託なく笑う。小学6年のベル絵馬さんは「1人ずつソロで踊るのが緊張するけど面白い。先生と1対1での指導は為になる」。練習中は笑い声もあり、皆生き生きとして、バレエの要素を組み込んだレッスンを楽しんでいた。

友谷さんは「クラスでは演技や想像力を高めるゲームなども交え、楽しく踊るための基礎と表現力を学びます。一番大切なのは楽しむことです。一緒に始めてみませんか」と呼び掛けている。

Junior Jazz

ハリヤマバレエのクラスとして毎週木曜午後4〜5時。友谷さんは15歳で劇団四季に合格、「キャッツ」や「オペラ座の怪人」など多数のミュージカルで活躍

【問い合わせ】
https://www.hariyamaballet.com/

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