元徴用工被爆者認定 長崎市は控訴断念を 原告支援団体が要望

 韓国人元徴用工の男性3人への被爆者健康手帳交付を長崎市に命じた長崎地裁判決を受け、原告の支援団体は9日、長崎市に控訴断念を求める要望書を提出した。長崎市側は、控訴するかしないか明言を避けたが、「なるべく早く結論を出す」とした。

 3人は戦時中、三菱重工業長崎造船所(長崎市)に徴用され、原爆に遭ったとして長崎市に手帳交付を求めたが、長崎市は「裏付けがない」として却下。このため長崎市と国を相手に提訴した。長崎地裁は8日、3人の証言は信用できるとして、長崎市に手帳交付を命じた。

 在外被爆者支援連絡会(月川秀文さんら共同代表)など支援団体の4人が長崎市原爆被爆対策部を訪れ、「原告は3人とも90歳を超えている。一刻も早い手帳交付を」とする要望書を提出した。

 応対した同部援護課の篠崎桂子課長は「国と協議の上、控訴期限の22日より早い段階で結論を出したい」と語った。

篠崎課長(左)に控訴断念を訴え要望書を手渡す月川共同代表=長崎市役所

© 株式会社長崎新聞社