潜伏キリシタン世界遺産登録半年 地域全体への効果波及 課題

田平天主堂は1.3倍 来訪者数、除外資産で明暗 日野江城跡は低調

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 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録から半年。構成資産を訪れる観光客が増える中、2016年に構成資産から除外された田平天主堂(平戸市)でも、来訪者数が前年の約1・3倍に増えた。一方、同時期に除外された日野江城跡(南島原市)の来訪者数は低調だった。両市とも構成資産を有し、登録効果をいかに市全体に波及させるかが課題になっている。
 田平天主堂は禁教令が解かれた後に信徒が移住し建設した。日野江城は戦国時代のキリシタン大名・有馬晴信の居城だった。いずれも禁教期との関連性が薄いとして、構成資産から除外された。
 平戸市によると、昨年7~12月の田平天主堂の来訪者数は約4万8千人。前年同期と比べて約1万1千人増えた。市は「もともと来訪者は多かったが、登録の影響は当然あるだろう」と評価した。
 一方、南島原市によると、観光協会が実施する日野江城跡の観光ガイドの本年度利用者数は31人。前年度の99人から大幅に減る見通し。正確な来訪者数は不明だが、増加傾向にないことが推測される。
 南島原市にある構成資産「原城跡」は、昨年7~11月に前年同期比約4・9倍の約2万8千人が訪れた。市の担当者は「原城跡やその周辺の施設は観光客が増えているが、市全体に効果が出ているとは言いにくい」と話す。また、平戸市の担当者も「(松浦史料博物館や平戸ザビエル記念教会など)他の施設で観光客が大きく増えたわけではない」という。両市は周遊バスやPR動画などを活用し、市全体の観光客増を目指すとしている。
 県のまとめによると、構成資産の来訪者(昨年7~11月)は計約43万8千人で、前年同期より約15万8千人増えた。県は県内と天草地方のキリスト教に関する遺産を「長崎と天草地方のキリスト教関連歴史文化遺産群」として、9日時点で133件を登録。「禁教期以外の歴史を知ることでより深く学べる。効果が波及するようPRしていく」としている。

2016年に構成資産から除外された日野江城跡=南島原市北有馬町
2016年に構成資産から除外された田平天主堂=平戸市田平町