新日鉄住金ステンレス、日本最大のステンレス水門向け省合金二相鋼厚板を大量受注

 新日鉄住金ステンレス(NSSC)は9日、同社の省合金二相ステンレス厚板を用いた日本最大の総ステンレス製水門が完成したと発表した。高強度で塩分腐食に強い「SUS323L」などが東京都の上平井水門耐震化工事で採用された。全4門の工事は2021年3月までに完成する予定で、最初の3号門扉がこのほど完成した。1門当たりのステンレス厚板使用量は350トン、扉体面積は333平方メートルで、従来最大の琴之浦水門(285平方メートル)を上回る。受注見込み分を含めて合計1400トンのステンレス厚板が使用される予定。施工はIHIインフラシステム。

 上平井水門は日本で唯一、パイプフィーレンデールと呼ばれる優美な構造を採用し1969年に竣工した。この耐震補強工事で、扉体の軽量化と塗装の省略、ライフサイクルコストの低減を通じた効率的な公共投資への貢献が評価され、NSSCのステンレス厚板が採用されている。

 SUS323L(23%クロム―4%ニッケル―窒素)は高強度で塩分腐食に強い省合金二相鋼。1門につき同鋼種250トン(8~30ミリ厚)と他鋼種100トンのステンレス厚板が使用される。

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