岡山市が空き家解体を代執行

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 岡山市は10日、所有者が分からないまま老朽化で倒壊の危険性が高まっていた同市東区豊田の空き家で、空き家対策特別措置法の略式代執行による取り壊しを始めた。同法に基づく空き家撤去は県内で初めて。

 午前9時半、同市の川上昇住宅・建築部長が代執行の開始を宣言すると、作業員4人が敷地を工事用フェンスで囲い、瓦や木材を撤去した。17日までをめどに続ける予定。所有者を特定できないため、約300万円の費用は市が負担し、国の補助金を一部活用する。

 市建築指導課によると、空き家は木造平屋(約120平方メートル)で築70年以上と推定される。市は、通学路にもなっている市道に一部が崩れ落ちて通行人らに危害が生じる恐れがある上、建物を覆う草木が景観を著しく損ねていると判断。昨年8月、略式代執行の対象となる「特定空き家」に認定した。

 川上部長は「いつ崩れてもおかしくない危険な状況で、地元の要望もあって踏み切った」と話した。

 同法では所有者が確認できない場合、勧告や命令などの手続きを省略して自治体が解体、撤去を代執行できる。市は、所有者不明で周辺に及ぼす影響が特に大きいほかの空き家4軒についても、略式代執行の適用を検討する。