【熊本城のいま】長塀から新たな遺構

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発掘調査で地中から見つかった石柱(中央)。地表から約15センチ掘り下げた付近に突端が現れた=昨年12月末撮影
長塀を城内側から支えている石柱(2015年撮影)

 熊本地震で倒れて撤去された熊本城の長塀[ながべい](全長約242メートル)。熊本市が撤去後の地下を発掘したところ、新たに江戸時代のものとみられる石柱などが見つかったという。市の熊本城調査研究センターが昨年末に城内を報道陣に公開し、合わせて調査結果を公表した。

 国重要文化財の長塀には、塀沿いに石柱が68本並び、内側から塀を支えていた。地震では一部の石柱も折れて撤去された。柱の間隔はほぼ3・6メートルだった。

 発掘調査は長塀の再建のためで、敷地の全域にわたって約1メートル幅で地面を約30センチ掘り下げた。その結果、これまで分かっていた石柱とは別の1本が、深さ15センチの辺りから見つかった。約20センチ四方の柱で、地面の状況から江戸時代のものとみられている。

 また他の深さ約30センチの付近から、瓦の破片が多数見つかった。1872(明治5)年ごろの古写真に長塀が写っていないことから、塀はそのころまでにいったん取り壊され、後で盛り土した上に再建されたとみられている。発掘された破片は、取り壊し前に塀に載っていた可能性があるという。

 市は今後の再建にあたって、塀が倒れにくくなるように補強策を検討。石柱の根元側をコンクリートの基礎で補強し、従来なかったステンレスの筋交いで長塀とつなぐ方針だ。

 しかし、今回発掘で見つかった場所については工法を変更。熊本城総合事務所によると、古い石柱の付近にはコンクリートの基礎を造らないことにした。瓦の破片の出土した部分にも、まず土や砂の保護面をかぶせ、その上にコンクリートを施工する。遺構をできるだけ保護するためという。

 「熊本城の復旧は、文化財を保護しながら被災前の状態に戻すこと。今後も遺構が出て来た場合は、臨機応変に対応していく」と総合事務所の建築担当の城戸秀一さん。

 長塀の復旧見込みは2021年。18年度中に足場を組み工事を始めるとしている。(飛松佐和子)

(2019年1月11日付 熊本日日新聞朝刊掲載)