1/11公開「喜望峰の風に乗せて」完全解説&コリン インタビュー!

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英国男優のトップスター、コリン・ファース最新作!究極のヨットレースに挑戦した男の海洋冒険ドラマ「喜望峰の風に乗せて」が2019年1月11日より公開。注目ポイントや登場人物紹介、さらにコリン・ファースへのインタビューまで余すことなくご紹介!

クローハースト事件の映画化

本誌の英国男優総選挙で三年連続1位に輝いた英国のトップスター、コリン・ファースの待望の新作。単独で一度も港に寄らず世界一周に挑むという究極のヨットレース。歴戦のセーラーたちが名を連ねる中、レース初体験というアマチュア英国人が大躍進を見せ注目を集める。世界中が彼の記録に目をみはるが、そこには驚くべき真相が隠されていた。

実際にあったクローハースト事件の映画化で、「キングスマン」シリーズのコリン・ファースが主人公を演じ、その妻役には「否定と肯定」のレイチェル・ワイズと、アカデミー賞俳優二人が初共演。他にデヴィッド・シューリスケン・ストットらが出演。

監督はオスカー候補となった「博士と彼女のセオリー」のジェームズ・マーシュ、撮影は「モーターサイクル・ダイアリーズ」のエリック・ゴーティエ、音楽は惜しくも18年2月に亡くなったヨハン・ヨハンソン(「メッセージ」)と、実力派スタッフが顔をそろえた。

空前の海洋冒険とは?

空前の海洋冒険ブームが巻き起こっていたイギリスで、1968年、賞金5000ポンドを賭けた単独無寄港による世界一周ヨットレースの開催が発表される。歴戦の有名セーラーたちがこぞって参加する中、一人のアマチュアが出場を表明し世間の注目を集める。

ドナルド・クローハースト(ファース)、船舶用の測定器を開発し会社を興したビジネスマンだ。ヨットには乗るがレースは未経験。彼が出場したのは自社の宣伝になると踏んだからだ。町の有力者(ストット)から融資を取りつけ、新聞記者ロドニー(シューリス)に広報を依頼し、と話はどんどん進むが肝心のヨットが出来上がらない。結局未完成のまま、心配する妻クレア(レイチェル)や子供たちを残し、クローハーストは大海原へと漕ぎ出す。

そんな彼に海は容赦なく試練を与える。耐え難い孤独と焦りから、ついにクローハーストはセーラーとして越えてはいけない一線を越えてしまう。その時から彼の真の苦難が始まるのだった。

登場人物はこの4人を抑えておこう!

家族を残し大海原へと出立した男

ドナルド・クローハースト(コリン・ファース)

自ら開発した船舶用測定器を販売しようと会社を興すが経営難に。会社のため、家族のため過酷なヨットレースに出場するものの、想像以上の大自然の脅威の前に自我を失っていく。

夫を支え懸命に家庭を守る良妻

クレア・クローハースト(レイチェル・ワイズ)

不安な心を押し隠し、4人の子供を抱えながら夫の挑戦を陰から支える妻。マスコミの中傷にも毅然と立ち向かう。

クローハーストを宣伝する広報係

ロドニー・ホールワース(デヴィッド・シューリス)

クローハーストの広報係として、彼が海上から送ってくる“新記録”を大々的に報道。世間にブームを巻き起こす。

クローハーストを支援する町の名士

スタンリー・ベスト(ケン・ストット)

クローハーストが住む町の名士で、彼の冒険を支援しヨットの製造費などを融資。だが予想以上に出費がかさみ…

▶︎▶︎コリン・ファースが魅せる三つの表情と製作裏エピソードとは?▶︎▶︎

コリン・ファースが魅せる三つの表情

この映画でコリン・ファースはオスカー俳優としての力量を存分に見せつけてくれる。彼が魅せるさまざまな表情をじっくり楽しもう。

愛情

映画の前半、クローハーストが妻や子供たちに向けるまなざしはどこまでも優しさに溢れている。イギリス人らしい優雅な佇まいも素敵で、理想の父親像の趣を感じさせる。一方で、レース出場に向けて自分の思いを熱く語る時のキラキラとした瞳の輝き。まるで少年のような純粋さで、家族や町の人々が彼の挑戦を応援したくなるのも当然だ。

葛藤

度重なる出発延期を経て、ようやく決心した出港の瞬間からすでにクローハーストの表情は曇っている。やがて大海原に乗り出した彼に次々と襲いかかる過酷すぎる試練。レースの行方どころか先に進むことすら困難になってしまったクローハーストの、疲れ果て、憔悴し、迷走する姿を、コリンは持ち前の演技力で見事に活写してみせる。

狂気

航行報告を偽証するという、セーラーとして絶対にしてはならない手段に出てしまったクローハースト。しかも他の出場者たちがことごとく脱落してしまったため、彼の嘘の報告は新記録に認定されてしまう。進むことはおろか帰ることすら出来なくなった彼は、大海の真ん中で正気を失いやがて最後の安らぎに到達する。その迫真の演技には息をのむばかり。

製作エピソード

実話に基づいたエピソード

クローハーストという人物の造形に最も役立ったのは、彼が残した航海日記、録音テープ、そしてBBC放送に送るはずのフィルムだった。小魚を飼ったりヨットに降りて来た鳥と話したりするシーンはそこから生まれた。

ドナルド・クローハーストとは?

ドナルド・クローハーストは1932年イギリス領インドのデリー近郊で生まれ、パイロット、軍隊を経て、24歳の時に英国レディング大学研究部門の仕事につく。1957年に結婚し、これを機に電子機器会社に転職。無線方向探知機“ナヴィゲーター”を開発し、自らの会社エレクトロン・ユーティライゼーションを立ち上げるが、まもなく会社は経営難に陥る。

この状況を打破するため、クローハーストはゴールデン・グローブ・レースへの参加を決意。これは単独無寄港による世界一周を競うヨットレースで、主催はイギリスのサンデータイムズ紙。賞金は5000ポンド。出場したのはクローハーストを含む9人で、彼以外はみな実績のあるセーラーばかりだった。

過酷なレースへの出場はクローハーストを一躍人気者へと仕立てたが、彼自身のセーラーとしての技術力や経験値は明らかに低く、建造したヨットも完成からはほど遠い状態だった。出港して数週間、予定航程の半分も進めていないクローハーストは、レースをリタイアし経済的破産を受け入れるか、機能しない船と共に死に向かうかの選択を迫られたのだった。

たった3人のロケ撮影

海上シーンの大半は実際に海にヨットを漕ぎ出して撮影されたが、ヨットが小型のため、監督のJ・マーシュ、カメラマンのE・ゴーティエ、そしてコリン・ファースの3人だけという最低人数の撮影もしばしばだったそう。

出港シーンは本当の場所で撮影

クローハーストの出港シーンは、彼が実際に出港したイギリスのデヴォン州テインマスで行なわれた。町でクローハーストは愛すべき人物として語り継がれており、映画では当時市長だった人物の息子が市長を演じている。

叔父さんとのセーリングの思い出

コリン・ファース自身はセーリングの経験はなかったが、彼の叔父ロビンがセーリングを趣味にしていて、コリンも8歳くらいまではよく連れていってもらったという。叔父はデヴォンでの撮影現場も訪ねてくれたそうだ。

▶︎▶︎要注目!コリンファースインタービュー▶︎▶︎

コリン・ファースインタービュー

「実在の人物を演じる時は、そのキャラクターの中に住むことが大事なのです」

ーー主人公の挑戦をどう感じましたか?

『人は時としてとてつもなく危険なことに取り組みます。自分の能力以上のことを成し遂げたいと思うものなのです。クローハーストもそうでした。しかし彼の挑戦は前代未聞で、宇宙飛行士と同じくらいすごいことでした。未開拓の地を航海したのですからね。当時はGPSのように位置確認できる装置などありませんでした。あるのは六分儀、バロメーター、コンパス、風向計くらい。あとは自分の技術だけ。大海原で迷子になっても誰も助けに来てはくれないのです』

ーー命がけの冒険に出たクローハーストにとって、家族はどんな存在だったのでしょう?

『クローハーストがレースに挑んだ動機は、家族のためだったと思います。彼は挑戦をやり遂げられると信じていたし、家族にふさわしい父親として家に戻り、家族を救えると信じていた。その気持ちはよくわかります』

ーーレースに行き詰ったクローハーストが取った行動をどう考えますか?

『このレースで優勝したロビン・ノックス・ジョンストンはこう言っています。「あれほどの孤独、あれほどの自然の脅威を体験していない者が、彼を裁く権利はない」と。映画を作りながら、私もまったくその通りだと思いました。私たちは彼を裁く立場にもないし、裁いたりしてはいけないと感じたのです』

ーーでは、クローハーストを演じるに当たって心がけたことは?

『実在の人物を演じる時はいつもそうですが、そのキャラクターの中に住むこと。と同時に、自分の判断を差し控えること。その人物をどう判断するかを決めるのは、俳優の仕事ではありませんから』

ーー具体的にはどんな取り組みをしましたか。

『入手できるすべてのものに目を通しただけです。ドキュメンタリー、伝記、BBCの保存映像など。けれど最も頼りにしたのはクローハースト自身の航海日記と録音テープでした。たとえば彼はヨットに降りてきた渡り鳥と親交を深めたと日記に書いています。その鳥に明らかに共感を抱いていますが、それは鳥が海鳥ではなかったからです。一番近い陸地まで何千マイルもあったのに、彼の船に降りてきた鳥。彼はその鳥が陸地に向かって飛び立ってほしいと願いました。彼にはそういう優しさがあります。思いやりと良識があります。それを日記から知ることができたのです』

ーーセーリングについてはどのようなことを学びましたか?

『小さなヨットでセーリングの基礎を学びましたが、これはとても楽しい経験でした。肌で風を感じることができたのが最高でしたね。実際に風と船の関係を知ったおかげで、いろんなことに合点がいったのです。カンボジアでは一人でヨットに乗って島々を回ったりして、すっかりセーリングの虜になりました』

原題『慈悲』2017年度作品。1時間41分。イギリス映画。
キノフィルムズ配給

©STUDIOCANAL S.A.S 2017

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