AIはほぼ100% 人間が内視鏡検査をしたときの正診率は?

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内視鏡検査のようす(C)PIXTA

胃や大腸のポリープやがんを診断するには、内視鏡検査が不可欠です。胃がもたれたり、痛んだり、お腹が張ったりして受診して、CT検査で異常が見つかったとしても内視鏡検査で確定診断を行います。

そんな話を聞くと、万能検査のように思われるかもしれません。では、その精度がどれくらいかご存じでしょうか。国立がん研究センターはNECと共同でAI技術を使った大腸内視鏡検査支援システムを開発。AIに膨大な画像データを読み込ませて“学習”させることで、診断技術を磨いたところ、大腸ポリープを正しく診断する確率は98.8%に上るといいます。

キャリア豊富な専門医並みの精度ですが、AI診断はまだ普及途上。臨床現場では、ほとんど人間の医師が担っているのが現状です。その精度こそ気になるところでしょう。

さまざまな医療機関のHPなどを見ても、最新の機器のことについては書かれていても、「正診率○○%」といったデータを目にすることはありません。

実は、ちょっと古い論文ですが、こんなデータがあります。1997年に発表された研究結果によると、病理検査で胃がんと診断された428例のうち55例は、胃・十二指腸内視鏡検査の結果に誤診があったと報告しています。誤診率は13%に上ります。

今は診断技術がグンと上がっていますが、普及すればするほど、検査する医師の腕に差が生まれるのも事実です。人間の医師の場合、大きく見積もって1割は誤診の恐れがあるといえるかもしれません。

胃がんでいうと、特に気をつけたいのが、悪性度の高いスキルス胃がんです。スキルス胃がんの部位や状況によっては、胃の内視鏡検査よりバリウム検査の方が発見しやすいことがあります。つまり、人間ドックなどで毎年胃カメラ検査を受けているという人も、油断できないということ。この点は、ぜひ頭に入れておいてください。
梅田悦生・赤坂山王クリニック院長