辺野古県民投票 不参加あっても実施 玉城知事、全県を事実上断念

©株式会社琉球新報社

 名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、玉城デニー知事は11日午後、県庁で記者会見し「県民投票は予定通り実施する。条例の改正については、さまざまな課題があり難しい」と述べ、現行の県民投票条例に基づいて2月24日の投開票日は見直さないことを発表した。宮古島市や宜野湾市など投票事務を執行するための予算措置を拒否している市長が県民投票への不参加の態度を続ける場合には、それらの市を除く市町村で同日に実施する判断を示した。

 県民投票を拒む自治体に代わって県が投票事務を実施する場合や、賛成か反対かの2択の選択肢を見直す場合には、県議会で成立した県民投票条例を改正する必要がある。これまで不参加を表明した4市長の翻意は極めて困難な情勢の中、協議や手続きに時間を要する条例改正は行わず、投票日を延期しないことを知事が決めたことは、全市町村での投票実施を事実上断念する判断となる。

 ただ玉城知事は会見で「全県実施を断念した経緯はない。事務を実施しない場合には条例と地方自治法の規定に違反する状態になると考えており、違法な状態になることを回避するため市町村に協力を求める」と述べ、全市町村での実施に向けて説得に全力を挙げる取り組みは変わらないことを強調した。

 また、投票実施を求めた県の勧告に従わないことを表明した宮古島市、宜野湾市に対しては、連休明けの15日にも地方自治法に基づく「是正の要求」の対応を取るとみられる。

 県民投票を巡り、これまで下地敏彦宮古島市長、松川正則宜野湾市長、桑江朝千夫沖縄市長、中山義隆石垣市長が投票事務を行わない立場を表明している。市議会が再議でも事務経費の予算案を否決したうるま市の島袋俊夫市長は実施についての態度を保留している。実施のめどがつかない5市の有権者数は県全体の約3割に上る。

 これらの市については地域住民が自ら公民館などを借りて投票所を用意する住民管理型の「自主投票」が模索されている。県民投票の正式な開票結果には反映されず参考値となるが、県民投票に参加できない有権者でも賛否の意思を示せる機会を確保する手段として、県政与党や労組、市民団体などで運動構築の議論を進める動きがある。

 5市で投票が実施されない場合の県民投票の意義を問われた玉城知事は会見で「県民投票を実施することについて意義がある。5市についても、その意義を損なうことがないよう、最大限協力をお願いしていきたい」と強調した。