ユルゲン・クロップ監督のもと成長を続けるリヴァプール。
ここでは、『sportskeeda』による「クロップ就任後にリヴァプールが獲得できなかったスター選手たち」を見てみよう。
アレックス・テイシェイラ(現江蘇蘇寧)
彼はクロップが最初に獲得しようとした選手のひとりだ。それは着任後初の移籍マーケットとなる2016年1月のことだった。
当時ウクライナで大活躍中だったテイシェイラ。シャフタールは5000万ユーロを要求したが、リヴァプールの最大オファー額は3200万ユーロだった。
移籍に乗り気だった本人はこう明かしていた。
「チームはリヴァプールからオファーを受けたが、それを蹴った。なぜかは分からない。いまも代理人が僕をリヴァプールに連れていくためにできることは何でもやっていることは分かっている」
だが、取引から手を引いた際のクロップの発言からは、リヴァプールが5000万ユーロの価値があるとは評価しなかったことが窺えた。
「我々に金がないということではない。だが、敬意と責任を持って取り組まなけれなならない。それが我々がやっていることだ」
その後、2016年2月に彼は5000万ユーロで中国に売却されることに。
マフムード・ダフード(現ドルトムント)
2016年夏、指揮官は中盤に補強が必要だと考えていた。ブンデスリーガを熟知していたクロップは、ボルシアMGで期待の若手だったマフムード・ダフード獲得に動く。
だが、2つの理由によって、移籍は非常に難しいであろうことが判明する。
1つ目は、まだ経験の浅い選手に2500万ポンドの移籍金は高額すぎたこと。
2つ目は、ボルシアはすでにグラニット・ジャカをアーセナルに売却していたことから、同じマーケットで2人のMFを失いたくはなかったこと。
ダフード獲得が不可能になったことで、リヴァプールはより経験のあるジョルジニオ・ワイナルドゥムを2300万ポンド+200万ポンドのアドオンで獲得。結果として、このオランダ人MFは素晴らしい補強であることを証明してみせた。
その後もリヴァプールはダフードを注視していたが、彼は2017年にドルトムントへと移籍。
その際、多くのオファーがあったが、ドルトムントを選んだのはドイツに留まりたかったからと明かした。だが、新天地ではなかなか地位を確立できずにいる。
ベン・チルウェル(現レスター)
2016年のEL決勝でセビージャに敗れた後、チームには新たな左SBが必要なことがはっきりした。
2016-17シーズン開幕前、リヴァプールはレスターでまだ頭角を現す前だったチルウェル獲得に乗り出す。この取引が破談になった理由には2つの説がある。
1つ目は、リヴァプールは700万ポンド+アドオンの移籍金を提示したものの、レスターが1000万ポンドを要求したというものだ。テイシェイラのケース同様、クロップら首脳部は彼がその額に値するのか確信できなかったとも。
2つ目は、リヴァプールが選手側の要求(額?)に合わせるつもりがなかったというもの。実際、彼は移籍が破談になった直後にレスターと新契約を結んでいることから、こちらの説のほうがより固い。
結局、クロップは左SB補強を選ばず、ジェームズ・ミルナーをコンバートさせることでシーズンを乗り切った。
移籍は実現しなかったが、リヴァプールのスカウト陣の目利きは確かと証明されている。チルウェルはレスターでレギュラーを掴み、イングランド代表でも地位を確立しつつあるからだ。
マリオ・ゲッツェ(現ドルトムント)
彼のキャリアのハイライトは2014年W杯決勝での決勝ゴールだろう。とはいえ、プロとして最高の年月を過ごしたのは、クロップ政権下のドルトムントだった。
2013年にペップのもとでプレーするためにバイエルンに移籍して物議を醸すことに。だが、体調面の問題もあり、ベンチを温めることも多かった。
2016年にバイエルンを退団した際、クロップとの再会説が浮上したが実現せず。
その理由は、選手に100%のコミットメントを求める指揮官が獲得をためらったとも。ゲッツェはEURO2016終了後に選択肢をキープしておきたいと口にしていたためだ。
結局、彼はドルトムントに復帰したが、かつてのような輝きを取り戻せず。今でもクロップとの再会説は根強いが…。
ピオトル・ジエリニスキ(現ナポリ)
彼もまた2016年夏にレッズ入りが噂されていた選手だ。ゲッツェやダフードよりも加入に近づいていた。
クロップと2016年1月に会談し、その夏の移籍の可能性について会談したと本人が明かしている。
「頭は混乱したよ。クロップと会い、彼は僕がチームに欲しいと言った。違う世界を見て、頭はより混乱した」。
当時のジエリニスキはウディネーゼからエンポリに貸し出されていた。彼がリヴァプールのユニフォームを着た画像も出回ったが、ウディネのオーナーであるジャンパオロ・ポッツォとの交渉は難航。
曲者である彼は価格を吊り上げ、リヴァプールが最初に提示した1000万ポンドのオファーは固辞された。
その直後、ナポリが争奪戦に参戦。フアン・カミロ・スニガの提供を交渉材料に使ってきた。
リヴァプールはプレミアリーグの経験を持つ選手に投資したほうがいいと考え、ジョルジニオ・ワイナルドゥムを2500万ポンドで獲得するに至った。
ナビル・フェキル(現リヨン)
今回のリストの中で間違いなく今のリヴァプールを強化できる人物は彼だ。
フェキルのリヴァプール移籍騒動は昨夏最も話題になった噂のひとつだった。だが、私たちはまだその終わりを聞いていないかもしれない。
ファン・ダイクの移籍は2017年の夏に一旦破談したものの、冬の移籍市場で正式に決まったからだ。
フェキルの移籍は決まったかに思われたが、リヨンが交渉打ち切りを発表。破談になった理由は諸説あるが、リヴァプールが条件の再交渉を試みたものの、それが失敗したとも。
今季のCLマンチェスター・シティ戦でフェキルは傑出したプレーを披露し、なぜリヴァプールが欲しがったかを見せつけた。現時点で彼はリヨンとの新契約にサインしていないが…。
ウスマヌ・デンベレ(現バルセロナ)
今回の7人のなかに、今のリヴァプールのスカッドを強化できる選手が何人いるかは微妙なところだ。ただ、デンベレの資質はアンフィールドで歓迎されるに違いないだろう。
クロップ着任時、チームにはジョーダン・アイブしかウィンガーがおらず、その彼も2016年夏に売却された。
その後、チームはサディオ・マネ、ムハンマド・サラー、ジェルダン・シャキリを獲得。だが、クロップのリストに載っていた最初の選手は、デンベレだった。
2016年にリヴァプール移籍が近づいており、指揮官は説得のために面会していたのだ。
デンベレ自身が「パリでクロップと会ったけど、ドルトムントと契約することに決めたと伝えた」と明かしている。