成人式

 久しぶりの再会。定番の振り袖や真新しいスーツに交じって、威圧感たっぷりにキメた和服男子の姿もあって、気合や晴れ姿の方向性は人それぞれなんだね、は「個人の感想」だが▲クラスメートや幼なじみの変身ぶりに歓声を上げたり、変わらない笑顔が懐かしかったり。あちこちで一足早く開かれた成人式の便りが楽しい季節だ。「成人の日」が1月のこの時期に定められたのは、かつての「元服」が小正月に祝われた名残という▲ところで、昨年の民法改正で決まった18歳への成人年齢引き下げに関連して、当の若者たちの7割超が「成人式は20歳で」と望んでいる、との調査結果が数日前の紙面にあった▲「18歳では受験と重なる」「就職の準備がある」-なるほど、の言い分である。確かに1週間後が大学入試センター試験では、とてもお祝いや晴れ着の気分とはいくまい。飲酒の解禁は20歳のままだから、18歳の成人式だと、同窓会もノンアルコール、は余計な心配か▲自治体などの関係者には頭の痛い話だが、どうか“新成人ファースト”の議論を、と願いつつ…今日は長崎、佐世保など県内8市町で成人式▲大切な節目にふさわしい節度ある行動を-は言わずもがなの一言、これまた余計な心配だ。思い出深い一日になるといい。皆さんおめでとう。(智)

© 株式会社長崎新聞社