北朝鮮の木造船に男性2人 「5人で出港、3人は海に」助け求めるように手を振る

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深浦町沖で見つかった木造船。男性2人の生存が確認された=13日午前11時半ごろ(青森海上保安部提供)

 13日午前7時ごろ、青森県深浦町の深浦漁港から約1.5キロの沖合で、漂流中の木造船が見つかり、海上保安庁が同日午後、船に乗っていた北朝鮮人とみられる成人男性2人を救助した。2人は「5人で北朝鮮を出港し、途中で3人が海に落ちた」「機械が故障し漂流状態になった」「北朝鮮に帰りたい」という趣旨の話をしている。体調不良は訴えていない。13日は同町沖合の巡視船内で過ごした。海上保安庁は関係機関と連携し、今後の対応を調整している。

 青森海保によると、13日午前7時20分ごろ、漁協を通じ「木造船が漂流している。人が乗っているようだ」と一報が入った。最初に漁師が発見した際、2人は助けを求めるように手を振っていたという。

 木造船はその後、北西方向に流され続けたが、青森海保の巡視船「おいらせ」、秋田海保の巡視船「でわ」などが近くで監視。午後2時すぎ、2人は「でわ」に移され、食料や水を与えられた。2人は空腹の様子だったが、目立った外傷はないという。「でわ」内での検疫の結果、異常は認められなかった。

 2人は通訳を介した海保の聴取に「昨年12月中旬、5人で北朝鮮を出港し漁をした。12月下旬にエンジンが故障し航行不能になった。その後、荒天で船体が揺れて3人が海中に落ちて行方不明になった」と話しているという。漁獲物を食べて空腹をしのいでいたとみられる。

 木造船は長さ約10メートル。船の中央に立てられた棒の先に赤い布が付けられ、船首部にはハングルや数字が記されていた。エンジンは壊れ、衣類やロープが船内にあった。漁具や漁獲物はなかった。木造船は漂流したままで、海上保安庁が監視している。